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不思議体験

御室真代さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

衆人環視
短編 2026/02/01 09:55 149view

私、仲のいい姉がいるんですけど、高校生くらいの頃、姉の事が好きすぎて、その気持ちが変な方向に行っちゃったみたいで、姉を怖がらせるのにハマっちゃった時期がありまして。
姉は気が弱くて怖がりなんで、めっちゃ面白い反応してくれるんですよ。

でもだんだんネタ切れになってきて……

どうにか姉を怖がらせる方法ないかなあって、模索しながら毎日下校してたんです。

そんなある日、いつもの下校ルートから外れた道で帰ってみたんです。特に理由は無かったです。気まぐれってやつですね。そしたら、変な店を見つけたんです。
いや、見た目が変とか、変なもの売ってるとかじゃないんです。なんていうかな。見た目は普通のレンタルビデオ屋さんなんですよ。ただ、なんか変だなって、直感的にそう思ったんです。
そもそも、こんな所にレンタルビデオ屋さんなんてあることすら知らなかったのもおかしいですよね。

で、その店を見て閃いたんですよ。
怖いビデオを借りて、面白い映画があるよって言って、姉を騙して無理やり見せるって言うのをね。
我ながらいい案だなって思いました。

早速店に入ってみると、さっきの直感の正体にすぐに気が付きました。

客も店員も、みんな変なんです。

店に入ってきた私を、店の中にいた3、4人全員がこちらを振り向いて見つめてきたのですが、その様相が異常だったのです。
全員、目の焦点があっておらず、何故か気味の悪い薄ら笑をうかべてたんです。
上手く言葉には出来ないのですが、人間じゃない何者かが、人間の見た目をして、人間の真似をしている。そんな印象を、店の中にいた全員に感じました。

それを見た私が立ち竦んでいると、
真横から、

『いらっしゃいませ〜』

って、気前のいい居酒屋の店員みたいな声が聞こえて、

ビクッとして横を見ると、

左右の目を別々の方向にグリグリ動かしながら、薄ら笑いをうかべている店員らしき『何か』が私を見つめていました。
それを見て、全身の毛穴が開く感覚を覚えました。
この店はヤバい。そう思いました。今すぐに帰るべきだって、本能が告げていました。

ただ、全員がこちらを見つめています。
私の一挙手一投足を、舐めるかのように。
ここでこいつらに背中を向けて、何も借りずに逃げるのも、ヤバい。そんな気がして、どうしようどうしようと、そう思っていた所で。

パッッと、店の雰囲気が明るくなって、周囲の音が耳に入ってくるようになりました。
辺りを見渡すと、お客さんも店員も普通になってて。
気のせいかもって思い込んで気にしないことにしたんですが、まあ怖いのは怖いですから、1本だけ借りて、さっさと帰ろうと思いました。

店はありふれたレンタルビデオ屋そのものでした。

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