自習
その二文字だけが黒板に書かれて、先生は教室を出て行った。
だが、出て行く前に教卓にプリントを置いていった。
恐らく、この時間の課題だろう。
本来、この時間は数学であり、このプリントの問題も数学であった。
俺は、急いで取り組み始めた。
なぜなら、このクラスの数強より早く解ききりたいからだ。
今までのテストで負けた分、今回は早く解ききってやつを煽るんだ。
だが、現実は無慈悲だった。俺が最後の問題に取り組もうとして、やつを見たときペンは、すでに置かれていた。
今回も敗北した。
しかし、まだ負けと決まったわけではない。やつにミスが有れば、煽るチャンスがあるはずだ。
この授業も残り10分となったところで俺も終わった。
見渡す限り、俺が二番目だろう。
早速、答え合わせのために席を移動した。
答え合わせをすると、一個だけ答えが合わないものがあった。
自分の答えを確認すると、計算ミスを発見した。
最悪だ。速度だけでなく、精度だけでも負けてしまった。
さらに、心なしか相手の視線が勝ち誇った物のように感じた。
しかし、修正して再び確認しても答えが合わない。
なので、相手から解答の説明を受けた。
自分とは違う解法だったため、途中から理解が追いつかなかった。
そして、取りあえず同じ計算をすることにした。
だが、途中で分からなくなった。
なので、自分の悪い癖だが答えが、そいつによって示されているのでそれを写した。
1+1…? A.3
次の数学の時間、みんなのプリントの最後の問題には答えが3と書かれていた。
俺らの答えを写しただけなので途中式などない。
そうして、先生の解説だ。真面目に計算しない人が多くいるクラスだ。解説を聞くはずがない。
だが、突然クラスがざわついた。なぜなら、先生の書いた解答は2だったからだ。























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