AさんはBさんにいじめられていました。小学校を入学してから何年もずっと。口にするのも憚るような内容の、苛烈で酷いいじめでした。
しかしAさんはやり返そうとも、先生や親に報告しようともしないのです。ずっと半笑いでいじめを受けていました。
六年生になった夏休み前のある時の事。Bさんの玄関前にカラスの翼が落ちていました。
羽根が一枚とかではなく、丸々1つのカラスの翼。誰かがもいだのでしょうか。
赤黒い液体がべったりと付着し、大きなハエが何匹もたかり、強烈な臭いを放っていてとても偽物だとは思えませんでした。
Bさんは気味が悪いと思って、カラスの翼を無視して遊びに行きました。
その翌日、気がつくとBさんは片腕に大きな切り傷が出来ていました。
ざっくりと刃物で切られたような、2センチほどの深い傷が二の腕にできていたのです。
数日後、Bさんの家のリビングにちぎれたカラスの足が2本落ちていました。
この前みたいに、酷い臭いと数匹のニクバエと共に。
流石に怖くなって親に話しましたが、Bさんの両親はそんな物は落ちていないといいます。
カラスの足がそこにあるのを確かめようと両親と家の前に出ましたが、既にカラスの足はそこからなくなっていました。
その翌日、Bさんは登校中に事故に遭って両足に重症を負い、しばらく歩けなくなってしまいました。
その数日後。
カラスの生首が、ぽんとBさんの部屋に置かれていました。
そういえば、Aさんってカラスの神様を祀ってる神社の家系の子らしいです。























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