君は夕闇横丁を知っているかな?その様子だと知らないみたいだから特別に教えてあげる。
そこには何でも売っているんだ。比喩とかじゃなくて本当に何でも。その代わり品物に応じた対価が必要なんだよ。でも、何が対価になるかは交換するまで分からないんだ。行ってみたいのかい?
なら夕闇横丁に行った少年のお話をしてあげよう
「まさか本当にあるだなんて…!」
誰かが言っていたんだ。何でも売っている場所があるって。半信半疑だったけど藁にもすがる思いだった。少し不気味な風景だったけれど、
「僕が欲しいもの」を早速探すことにした。
探し続けること約10分、僕はやっとソレを見つけた。ソレをジッと見ていると店主のおじさんが話しかけてきた
「坊やソレが欲しいのかい?」
僕は頷いた。するとおじさんは毎度ありとだけ言った。お代は払わなくて良いのかな…?僕は疑問に思った。でもおじさんも何も言わないので店を後にしようとした時、
「あの坊やは気の毒だね。まさか対価が…」
と聞こえた。僕が欲しかったもの。それは弟だ。ずっと一人っ子で寂しかったんだ。絶対に大切にする。命にかえても。そんなことを考えているとだんだん目の前が暗くなってきた……
あの日から何日か経った頃お母さんのお腹が大きくなってきた。男の子なんだってさ。僕の夢が叶うと思った。すると突然階段を登っていたお母さんがバランスを崩した。
咄嗟に体が動いて僕はお母さんの下敷きになった。それ以来僕は車椅子生活になってしまった。でも、良かった。弟は無事に産まれてきてくれたから。
20年後…
「お前は俺に迷惑をかけてばっかりだな??」
すっかり大きくなった弟が言う。僕はこう言った
「お前なんて産まれてこなければ良かったんだ」
君はこの話を聞いても行ってみたいかい?行くか行かないかは君の自由だよ。もし行ったのなら…
























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