オカルトマニアの友人の家に遊びに行く機会がありました。
彼はコレクターで、隕石のかけらや化石・標本、人体模型からどこで買えるのかもわからない呪いの人形まで、もはやオカルトマニアを超えた「収集家」レベルの品が家に沢山置いてありました。
様々な時代や文化のアイテムが無造作に並ぶ様は不気味でありながらも、彼の快活な人柄も相まって心地悪くはなく、空気も澄んでいました。そこで私はこう言いました。
「この部屋妙に清々しいよな〜。呪いの人形がある部屋だとは思えないよ」
すると彼は
「本当?よかった〜。最近盛り塩を置いたから、それのおかげかな笑」
と返してきました。
「盛り塩、なんで?」
「いや、先週のことなんだけどね。これ、見てよ。」
彼が取り出したのは「ペストマスク」でした。
中世のヨーロッパでペストという感染症が流行った時、このカラスのようなクチバシの大きく伸びたマスク(中にフィルターが入っている)を被って感染対策をしていたのだと言います。
「先週、仕事から帰ってきてそのまま寝ちゃったんだ。結局起きたのは夜中だったんだけど、俺、なぜかこのマスク被って寝てたんだよね。」
「なにそれ!笑 流石に疲れすぎでしょ。」
「そうなんだよね。でもさ、マスクのくちばしの中に呪いの人形がギチギチに詰め込まれてたんだよ。そんな事をした記憶は全くないし、そもそもそれのせいで息ができなくて起きたんだよ。入れたのは俺じゃない。だから塩を撒いたんだ。」
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 9票

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。