本当にあった心霊体験

これは私が中学生の時のお話です。
実は私は子供の頃から他の人よりも少しだけ感度が高い…敏感な子供でした。
ただその事をあまり周りに言うことはなく、親にもあまり話した事はありません。小さな頃は感の強い子供だとただ思われていたようです。

中学生になったある日、友人のお父さんが編集者をやっている事を知ったのですが、そのお父さんが心霊マップの本を作るので取材に行くので付き合って欲しいと言われました。
正直なところ、行きたくなかったのですが当時の私は友達に嫌われたくなかったのです。なので仕方なく付き合う事になりました。
友達のお母さんも一緒に行く事になり友達の家族はすっかり夜のドライブ気分です。
私はあくまでそういう類に詳しい友人、というスタンスで出発前に塩を買っていくように勧めました。

いよいよ取材が始まりました。

ただ取材と言っても、誰かに話を聞くことはなく、あらかじめ調べてあった幽霊が出るらしいと言われる場所を訪れて写真を撮っていくだけです。

廊下の突き当たりに幽霊が立っている事があるらしいマンション、怪奇現象が起きると噂されるガソリンスタンド跡など。
正直ほぼデマばかりです。

ですが最後に訪れた場所だけは本当に危険な場所でした。
そこは以前、そこに住んでいた一家が焼け死んでしまったという、郊外に立つ火事跡の廃屋でした。
場所に到着し、友人のお父さんが写真を撮る為に車から出ようとしたその時、物凄い寒気が私を襲いました。
咄嗟に私は
「おじさん！外に出ちゃダメ！」と叫びました。

びっくりした友達のお父さんと友達がドアから手を離したその瞬間…
物凄い音で四方八方から車が叩かれたのです。
「わあぁぁっ！」「きゃあぁーっ！」
「おじさん！早くここから離れて！」
急いでエンジンをかけて、とにかくその場を離れました。やがて、人気のある街中まで戻ってきた私達は、ようやく車から降りる事ができたのです。
そこで目にしたのは…車の外側にびっしりとついた手の跡でした。
そして車に積んであった塩は水を加えた訳でもないのに袋の中でドロドロに溶けていました。

以上が私の心霊体験です。