筆者であるわたくし、有野の姉は高校生の頃、不可思議な細かい体験をよくしていた。
深夜にネットサーフィンをしていたら部屋の扉が勝手に開いたことがあったり、バスを降りたときに太陽と重なる円盤型のUFOを見たことがあったり。
正直、とても羨ましい。
怪談を語っていたり執筆しているからというわけではなく、こういった経験をしてみたかったと心から思う。
姉と弟でこんなにも差があるとは。経験してみたかったという下心があると経験できないものなのか。
この話は
「そういえばまだ話してなかったことで思い出したのがあるんだけど」
と、つい最近聞かせてもらった体験談である。
高校生の頃、近所の友人宅に遊びに行った時のこと。扉を開けるとすぐ右手に部屋があり、目の前の短い廊下の先にはリビング。リビングの向こう側には部屋が二つあるごく普通の作りのマンション。リビングに入ったときに気づいたのだが、左側の部屋に友人のお兄さんが居た。
「おじゃまします」
床に座っていた友人の兄は、こちら側をチラッと見るだけで何も返事は返さない。コミュニケーションが得意ではなさそうだと感じていたこともあり、返事がなかったことを気に止めることはなく、リビングでゲームをしたり雑談をしたりして楽しんでいた。
夕方、友人の母が帰ってきたので
「おじゃましてます」
と声をかけると、夕飯を食べていかないかと誘われた。
「お兄さんもいるし悪いですから」と丁寧に断ったのだが、「お兄ちゃん、今日はサイゼリ○でバイトだから居ないよ」と言われてしまったのだ。
家を出るにはこのリビングを通らなければならないのでまだ部屋にいるはず。改めて部屋を覗いてみると、そこには誰もいなかったのだ。
「あ、じゃあ気のせいだったかもしれないです」
「いやいやいやいや無理無理無理」
友人は兄の姿を確認していなかったのだが、姉が声をかけたので居るものだと思っていたそうだ。
その家には、家族以外の誰かが住んでいたのかもしれない。

























ヒトコワなのかよう言う幽霊なのか、
分からないけどよみおをった時に背中がゾッとした!