いつも通り会社に出勤する。
だが周りの人たちの様子がおかしい。
私を見てクスクスと話すのが聞こえる。
どうやら悪口を言っているみたいだ。
ハッキリとは聞こえないが、あれは悪口に違いない。
直属の上司に挨拶をする。
「君、どうした?」
「何がですか?」
「いや、それ。」
私は意味がわからなかった。
しばらく「?」の表情を浮かべていると
「とりあえずまずはここから出よう」
と、人目を避けるように上司に連れられてオフィス脇の小さな応接間に連れて行かれた。
何がなんだかわからなかった。
(何かまずいことでもバレたか?)
思い当たるフシはたくさんあったので、どれで怒られるんだろうとドキドキし、汗が止まらなかった。
そのまま上司は部屋を出ていった。
マズい。確実に何かがバレた。
ズル休みしたこと。仕事のミスを後輩に押しつけたこと…。
考えを巡らせていると額に汗がしみてきた。アトピー持ちとは言え、いつもよりもおでこが痛む。
ありとあらゆる言い訳を考え、「その時」に備えて一人で焦っていると、上司が戻ってきた。
「おい、それはなんだ?」
何も分かりません、という顔をしてごまかそうとした。こちらから話すと余計なことまでバレてしまう。
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