私のいとこの君栄ちゃん(仮名)が住んでいる村では、夜に豆腐小僧が現れる怪談があった。
これは、君栄ちゃんが体験した、豆腐小僧のお話。
いつもの塾帰り、のはずだった塾帰り。
今日の授業でわかんないとこを先生に聞きまくってたら遅くなっちゃった。
やばっよるじゃん。
豆腐小僧出るかもしんないなー。
豆腐小僧って、お盆の上に豆腐を乗せた1年生ぐらいの男の子だよね。
どんな妖怪なのかは詳しく知らないけどなぁ。
「ん?」
道路のど真ん中に着物を着た男の子が立っていた。
「ねぇ、食べる?」
男の子は豆腐を差し出して言った。
「え…」
私はあまり豆腐が好きではなかったから、
「大丈夫だよ。君も早く帰らなきゃ危ないよ。」
と言って私はその場を離れました。
その日の夕ご飯は、お味噌汁とチキン南蛮、そして冷奴でした
冷奴は嫌いだったし、丸まる豆腐だったので、お父さんに食べてもらいましたが、
お味噌汁のお豆腐ぐらいは食べなさい、とお母さんに言われたのでお味噌汁の豆腐は食べました。
次の日私は朝からおなかが痛かったので、学校を休みました。
「ねえ、この豆腐も食べる?」
いつの間にか、部屋の前に昨日の男の子が立っていました。
「昨日食べてくれたから、今日も食べてくれるよね?」
「え…」
次の瞬間、お盆の上の豆腐がなくなっていました。
口の中に豆腐が入っています。
おなかの傷みが激しくなりました。
「わぁ。ありがとう。今日の夜も食べてくれるよね」
君栄ちゃんはこの日から、豆腐を絶対食べないようにしてるそうです。

























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