私の友達のいとこの珠恵ちゃんが去年の夏休みに体験したお話です。
「バイバーイ」
そういって友達と別れた。
もうすぐ6時なのに空はまだ明るい。
冬はもうこんな時間に遊ぶなんてもってのほかだよ。
明日は友達の花奈ちゃんと心霊スポットに行くんだよねー。
花奈ちゃんのお母さんが近くのパーキングに停めてくれるらしいから、安心安心。
「ただいまー」
今日の夜ご飯は…やった!ハンバーグだ!
「珠恵ー。もうすぐご飯にするからテーブル吹いてちょうだい」
「はぁい(*´Д`)」
「ねえお母さん、明日友達の花奈ちゃんと遊び行ってもいい?」
「別にいいけど」
よしっ。
心の中でガッツポーズをした。
その日の夜。
変な夢を見た。
花柄のワンピースを着た女の子がうつむいて私の前に立っている。
声をかけようとしたとき、女の子が顔を上げた。
そして、血まみれの顔で、
「ずっと、ずっと一緒だよ」
って言ったんだ。
そこで目が覚めた。
気づくともう朝になっている。
私は夢のことは気にせずに花奈ちゃんと行くことにした。
その心霊スポットは、ある閉鎖された古いトンネルだった。
ここで、昔女の子が車にはねられたらしい。
「ねえ、ねえ、珠恵ちゃん。写真撮るんでしょ?なら、このお人形も入れて撮ろうよ」
花奈ちゃんが手に持っていたのは、ぼろぼろの女の子の人形だった。
「えぇ…」
「いいじゃん、早く撮ろうよ」
パシャ
カメラのシャッターが鳴ったと同時に、花奈ちゃんがフッと消えてしまった。
そして、横を見るとあの人形がこちらをにらんでいた。
その場から離れようとした私の方に、何か重いものが乗って、耳元でこうささやいた。
「君は、ずっと、ずぅっと一緒だよ」
ずっと一緒だよ ヤバすぎ