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セイスケくんさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

レミングの集団自殺
短編 2024/11/18 16:29 86view

“北欧スカンジナビア半島の森林に生息するレミングというネズミは、3〜4年ごとに大繁殖を引き起こす。その結果、狭い棲息地では生存競争が激化し、彼らは新しい居場所を求めて大規模な移動を始める。しかし自然の仕組みは巧妙で、移動先にも適した土地には限りがある。棲息可能な範囲を超えたレミングたちは、生存競争を避けるように他の集団と争うことなく、西海岸から北海へと身を投げて命を絶つのだ。こうして、レミングたちの過剰な個体数の問題は自然と解消されるのである。”

この話は、いわゆる「レミングの集団自殺」という広く知られた神話に基づくものだが、実際の科学的事実ではない。

レミング(lemming)は確かに北欧の森林やツンドラ地帯に生息し、数年ごとに個体数が大幅に増減する周期を持っている。この周期的な繁殖は、天敵、食料供給、気候条件などの複合的な要因によるものである。しかし、「レミングが集団で海に飛び込んで自殺する」という説は誤りだ。この神話は、1958年のディズニーのドキュメンタリー映画『ホワイト・ウィルダネス(White Wilderness)』で広まったとされている。

この映画では、制作チームが意図的にレミングを海に追い立て、その映像を「自然の行動」として描写したことが後に判明している。つまり、実際にはレミングが自発的に集団自殺をするわけではない。レミングは確かに繁殖が過剰になると新しい住処を求めて移動することがあるが、これは単に生存戦略の一環であり、海に飛び込んで死ぬというのは事実に基づいていない。

しかし……この神話が、もし真実だとしたらどうだろう?

一部の研究者や陰謀論者の間では、あの映像は単なる「演出」ではなく、もっと深い真実を隠しているという話が囁かれている。

ある古生物学者が、カナダの北極圏近くで不思議な遺骨群を発見したことから、話は始まる。

それらの骨は、小動物、つまりレミングのものだったが、奇妙な点があった。

骨の構造が通常のレミングとは微妙に異なり、体長が現在の種よりも約1.2倍ほど大きいことが判明したのだ。

さらに、その骨には、明らかに自然界の捕食者ではない何かが付けたような切れ目が残っていたという。

この発見を報告した学者、ドクター・ハーグリーブスは、地元のイヌイットの伝承を調べ始めた。

その結果、彼らの間には「北の海の神が、レミングを呼び寄せ、自らの使いとして再生させる」という古い話が存在することが分かった。

伝説によれば、過剰な個体数のレミングは「浄化」を受け、神秘的な存在に変貌するというのだ。

ドクター・ハーグリーブスの研究記録には、1962年に奇妙な事件が記されている。

彼のチームが現地調査中、突如として無数のレミングが彼らのキャンプを通り抜ける様子を目撃したという。

それは、ただの移動行動というにはあまりに異様で、レミングたちはどこからともなく現れ、どこへともなく消えていったという。

しかも、その後、チームの一人が体調を崩し、「海の中で何かに呼ばれる夢を見た」と語ったのだ。

その数日後、彼は忽然と姿を消した。

では、あの『ホワイト・ウィルダネス』の撮影チームは何を見たのか。

近年、未公開映像の一部が流出したと言われているが、その内容は謎めいている。

その映像には、レミングたちがただ海へ向かって走るだけでなく、海面から突き出した不思議な光の柱に引き寄せられる様子が映されていたらしい。

この光の柱は、あたかも彼らを招き入れるかのように点滅していたという。

さらに不可解な証言がある。

1958年の撮影現場に立ち会ったという地元住民の一人が、晩年に語った話によれば、レミングを追い立てたのは人間ではなかったという。

「海辺に行くと、空気が変わるんだ。そして音が聞こえる、何千もの囁き声が……あの小さな動物たちは、自分の意志であそこへ向かっていたよ。」

彼の言葉は、現場の異常性を物語っている。

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