15号室:ドッチガイイ?
投稿者:うずまき (21)
短編
2024/07/22
16:03
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モデルのように綺麗なある女性がいた。
顔もスタイルも非の打ち所がなかった。
そんな彼女は今、絶体絶命な窮地に立たされていた。
歩いていた所を背後から殴打され、気付けば無機質な廃屋で椅子に縛り付けられていた。
目の前には流行りのキャラクターをイメージしたマスクを被った人間が1人。
男か女かもわからない。
「ドッチガイイ?」
意図的に作った声色でボソッと問いかけられた。
そんな目の前には、朽ちた木の台上に置かれた大きなペンチのような物とプラスチック製のお面。
使いたくて焦れったいのか、何度もペンチを触ってはまた置く。
この状況下でペンチが何に使われるのか想像さえしたくなかった。
「ドッチガイイ?」
また問いかけた。
「…お面。」
仕方なく答えた。
マスク人間は落胆した素振りを見せたが、お面を手に取って近付いてくる。
そしていきなり彼女の顔にそれを被せた。
鼻の奥までツーンと貫くような刺激臭。
急激に顔を襲う激痛。
気付けば馴染みのある脇道に放置されていた。
そのお面の内側には無数の硝子の欠片と大量の瞬間接着剤が仕込まれていた。
綺麗だった彼女の顔は、幾度となく繰り返された手術の成果もなく、モンスターのように変わり果ててしまっていた。
彼女は今も精神病院にいる。
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女の子が理不尽すぎる。