13号室:カエリミチ
投稿者:うずまき (21)
短編
2024/07/22
14:53
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暗い夜道を1人で歩いていた。
深夜という事もあり、舗装されたアスファルトの道の両側に建つ様々な家の灯は落ち、点在する街灯だけが頼り。
ふと前方を見るとこんな時間に男が歩いていた。
気付かなかったが、ほんのすぐ前を黙々と歩いていた。
その挙動が妙で、やけに左右に不自然な揺れ方をしている。
無意識に距離を取ろうと早く帰りたい気持ちを抑えて歩くペースを落とした。
いくら待っても何故か一向に距離が広がらない。
眉間に皺を寄せながらその姿をもう一度凝視した。
服も靴も前後逆に着たその男がそこにいた。
ニヤニヤと笑いながら。
遠ざかる訳がない。近付いて来ていたのだから。
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