食べたいくらい
投稿者:牧芭之ちぃ (4)
私が実際に体験したお話です。
……コレ、なんだろう。
当時高校生だった私は、ある日ふと鏡に映るそれを見つけました。
お風呂上り、脱衣所の鏡に映る自分の姿。その右肩に、奇妙な赤い線があったのです。
鏡に近づき、じっと見てみると、その赤い跡は縦に二本、二センチほどあって、どこかにぶつけた時の痣のように見えました。
「ねぇ、お母さんちょっとこっちきてー」
「なあにー?」
まったく見に覚えのないそれに不安になって母を呼びました。まだ濡れたままの裸体をタオルで包み、脱衣所の扉を少し開けて、母に右肩を見せました。
「これ、なんだと思う?怪我した覚えないんだけど、なんかすごく赤いからびっくりして」
不思議そうに私の肩を見た母は、ふと思いついたように「ああ!」と言いました。
「これあれだよ、嚙まれた痕」
「え?なにそれ」
「幼稚園のとき。ほらいたでしょ、すごく仲の良かったSちゃん。あの子に噛まれたの」
すごく仲の良かったSちゃん。Sちゃん。Sちゃん。
「あぁ、Sちゃんて、あれかな、私の髪の毛よく触ってきた子?」
「そうそう、ちぃにすごく懐いてたの」
名前を聞いて、ずっと忘れていた記憶が蘇ってきました。
「ちぃちゃん」「ちぃちゃん、髪触らせて」「ちぃちゃんの髪きれいー」
Sちゃんは、幼稚園の頃に同級生だった女の子です。
容姿はあまり覚えていないけれど、私の後ろを、まるで親鳥を追いかけるひよこみたいにずっとついてきて、背中にぺったりとくっついて、当時背中まで伸びていた私の髪の毛をよく梳かして結んで遊んでいました。
可愛らしい面影がふわりと浮かんだのですが、同時に、彼女の「癖」も思い出しました。
自分の指を嚙むんです。
服の袖。ハンカチ。ぬいぐるみ。お菓子を食べる時、半分噛んで、そのまま食べずに一度出すんです。
「なにしてるの?噛むと美味しい?」
不思議に思った私は、一度彼女に聞いたことがあります。
彼女はにこっと笑って言いました。
「好きだから。食べたくなるんだあ」
今思えば、私の髪の毛もこっそり噛んでいたのかもしれないですね。
その日は突然でした。
私が覚えているのは、先生たちの声と青空。
ヒロアカのトガちゃんみたいなね。
わかるけど普通はやらないものなんだよね。
大人3人でも引き剥がせないとかヤバいな
怖いってかきもい
好きすぎて噛むとか、普通の人はやらない。もしかして、もともと死んでいた?
食ったとしても所詮自分と同じ人間の肉だし
人間の肉って結構不味いから味トラウマになってそうだな