実家にはちょっとした竹林があり、その隅にお墓が二つ並んでいる。
と言っても、30cm位の石を立てただけのお墓。
向かって左側に埋まっているのは子ダヌキ。
右側はカラス。
どちらも化かすとか呪うとか、嫌われがち。
子ダヌキは、5、6年前の夜中、縁の下の大きな穴に落ちて鳴いていた。
昔、野菜を貯蔵していた穴。
助けようとしたが、穴の中を逃げ回ってうまくいかなかった。
朝になってもう一度助けようとしたが、息絶えていた。
タヒんだ動物をかわいそうと思ってはいけない、霊がつくから。
でも、助けてやれず、かわいそうなことをしてしまった、と思った。
なのでお墓をつくった。
カラスは、3、4年前、裏の軒下で白骨化していた。
カラスのタヒ体に触れてはいけない、たたられるから。
でも、軒下にそのままにしておけないし、やっぱりかわいそうだった。
子ダヌキの隣にお墓をつくった。
思えばそれからだ。
立てないほどのめまいに周期的におそわれ、その度に何日も会社を休み、業績も落ちた。
母は耳がほとんど聞こえなくなり、1時間前のことも忘れてしまうなど、急に体が衰えた。
彼らへの接し方を間違えたのかも知れない。
それとも、彼らを吸って育ったタケノコを食べたから?
時々、寝ている布団の上を動物が歩く感触があったり、廊下を黒い影がサッと横切ったりするのは、タヒんでしまった飼い猫が遊びに帰って来ている、と思っていたのだが・・・。
優しい方なのですね。