冬の山道は要注意!!
投稿者:rark (32)
「あ〜、さみぃ〜。」
「寒いって……車の中じゃないですか。」
もう1月も終わる頃。部活の試合を終えた僕は、先輩に家まで送って貰うことになるのですが、それは6月に免許を取ったばかりの先輩。
征爾さん(仮名)の運転の練習に付き合うという、条件付き。
まぁ、どおせ高速の一本道だろう。と高を括っていた僕の期待は見事に外れます。なんせ、ここ数週間の豪雪により、高速が渋滞やら、事故やらで、1時間ほど経っても数十メートルしか進まない。
痺れを切らした僕らは下道を通ることに。しかし、下道を通るとなると山を超えないといけないので、なるべく明るい内に。とは思っていた物の、渋滞の影響で、気づけば夜の7時頃。1月の日は短く、山道に入った頃には、辺りは真っ暗。
「あ〜。マジかよ。こえーんだよなぁー山道。」
先輩はそんなことを言いながら、暖房の温度をあげる。
「高校生で、18の誕生日来た瞬間に車校行きますかね?普通。」
「あ?お前わかってねーな。車乗りこなせる男はモテるんだよ。」
そんな会話をしながら、山道を進んでいたその時。
「うわっ!」
車がスリップし、ガードレールの方へと直進する。
「征爾さん!ブレーキ!ブレーキ!」
「効かねーんだよ!バカ!」
キィーッ!!
悲鳴のようなブレーキ音。僕らの乗っていた車は、ガードレールギリギリで止まる。
「あぶね〜。ギリじゃん。」
ホッと胸を撫で下ろし、僕らは一旦外に出る。
見渡すと、この先の道路が綺麗に凍っている。俗に言うアイスバーンというやつだ。「あーあ」と征爾さんが一言。それに続け、
「こりゃー無理だな。お前明日部活は?」
と言う。
「午前中だけです。」
「そうか。まぁ顧問には俺からも言っておくからさ。」
この時点で察した僕は、半ば呆れた顔で、尋ねる。
「車中泊ってことですか?」
「ハハ。まぁ、あんま悪いもんでもねーぞ。」
とりあえず、道端で車中泊と言う訳にも行かないので、少し進んだところの、ボロボロの手入れされていないような駐車場に車を停める。
その駐車場の端の方には、ボロボロの車が1台停まっている。
面白かった!