なんで連れてった
投稿者:白と黒の旅人 (33)
趣味の旅で車に乗って山道を通った時の話。
一人で車中泊できるように後部座席を畳んだ車で、山道を走っていた。時刻は18時頃。
霧も出てきたため、対向車に気をつけて運転していた。「やっぱり山の天気はどこもこんなもんだな〜。」と地元のことを思い出して眠気覚ましにガム噛みながら運転していた時である。
若い女性と男性のカップルらしき人達が歩いているのを見た。
こんな時間に山を散歩するにはいささか軽装だし、灯りの類も見当たらない。
「あの〜どうかなさいました?もしも〜し!」
声をかけても俯いたまま歩いている。クラクションを鳴らしたりしても気づかない様子なので車を路傍に止めて、2人の進行方向に立った。
無視して脇を通ろうとするので
パンッッ!
と柏手的というかもはやねこだましみたいなのを鳴らしたら2人ともハッとなったのかキョロキョロしだした。
「お2人とも、こんな時間どうかされましたか?」
この山は本当にただ道が整備されただけの山なので夜景スポットやキャンプ場もないと事前に調べてあった。
「あれ?俺らなんでこんな山道に?」
と男性の方は訳が分からないといった様子。
女性の方も「私達、キャンプ場に戻ってたはずだけど?」と発言。
「キャンプ場て。この辺りはただの山道ですよ。多分隣の○山の事じゃないですかね?」
と聞くと
「隣?ここって△山じゃないんですか?」と女性。
こうして話している間も霧は晴れない。
「多分霧でどっか道間違えたんじゃないんですかね?」と聞いたが、覚えてないと言う。
そもそもキャンプ場の施設には薪とかかまどはちゃんとあるし、一度山を降りてまた山に登るなんて手順を踏む必要もなく、キャンプ場に戻る途中で隣の山に登ってしまうなんてことが起こるほどややこしい道のキャンプ場はないだろう。だいたいちゃんと看板があるはずだ。
「まぁ、もうすぐ19時とかですし、キャンプ場の名前さえ教えてくれるなら乗っけて行きますよ。」と言って2人を乗せてキャンプ場まで送ることにした。
ここで1つ言っておきたいのが、山道というものは地元民でも危ない場所なので迷ったりした時に人がいたら積極的に頼った方がいいと思う。「大丈夫です。」なんて言って置き去りにされようものならどうしようもない。
この時、その2人も「わざわざ送って貰うのは申し訳ない」と断って来たのだが、「いや、霧の山道を軽装で歩くって自殺行為でしょ。」と半ば強引に2人を車の中に入れたのである。
さて、山を降りる道を走っている最中、本格的に霧が深くなり、ライトをつけようとつけなかろうと変わらなくなるレベルにまで至った。
山の傾斜と地図の傾斜の角度を照らし合わせてなんとなくの方角を決め、山を下っていく。
しかし、途中であることに気づいた。
「……この道、さっきも通った気がしませんか?」
と後部座席に座らせた2人に聞いてみた。
急にパワープレイしてて笑った
Tさんの破ぁぁぁ!!!は生ぬるい。やはり力技ですよby投稿者