お教祖様
投稿者:rark (32)
「お教祖さま」
2年前の話。クラスのお調子者のGから、何年も前に火事でボロボロになった教会に、肝試しに行こうと言われました。メンバーは、僕と、
友達のAとDとMそしてGの五人のメンバーで、肝試しに行くことにしました。そこの噂では、
「お教祖さま」が出るという噂が立っていました。
その日の夜、僕たち五人は例の教会に集まりました。教会といえども、屋根は低く、十字架が立っています。壁は火事で焼けたのか、真っ黒だったのですが、屋根の十字架がより一層不気味さを倍増させます。すると、Gが
「早くいこーぜ」
えらく張り切っています。Gは、お前らビビってんの?的なオーラを出しながら、教会にズカズカと入ってきました。床には、木片とかボロボロの長椅子とかが、広がっていて、少し、カビ臭いというか、木が腐った匂いが少しします。Gは、
「ははっ。クッセー」
なんて吐き捨てながら、
「なんもねーじゃん。なんだよ。」
とか言って、黒い、鈴のかかった仏像?みたいなものをガン。と蹴り付けました。Aが、
「おい、やめろよ。お前呪われるぞ。」
と言ったのですがGは鼻で笑って、
「は?お前、そんなん信じてんの?」
とか言って、下に落ちている銀色の十字架のネックレスみたいなものを拾って、コレカッケーみたいなことを言って自分の首にかけたんです。GはDを連れて、奥の方に行ったんですが、僕はなんとなく、Gと一緒にいるのは嫌だったので、その場に座って、AとMと二人を待つことにしました。すると床に、何か日記帳みたいなものを落ちてるのに気づきました。するとMが
「見てみようぜ」
と言ったので、その日記を開いてみました。
↓日記の内容
十二月5日お教祖さま。私はいつになったら、聖地に行けるのでしょうか。
十二月6日やっと、やっと私の番が来た。次の人が来るまで、お教祖さまは待っているらしい。
↑以上が日記の内容です
その後のページは何処もビリビリに破り裂かれていて、とても読める状態ではありませんでした。
「なんだよ。コレ」
Aが口を開いた瞬間、Gがものすごい勢いで奥の方から走ってきました。そして、
「うわぁぁ‼︎」
と叫び声を上げながら、教会から出て行ったんです。するとDがそれに続いて走ってきて、
「とりあえず追いかけるぞ!」
と言われたので、僕らは訳のわからないまま、Gを追いかけたんです。しばらく走ると、Gは道の真ん中でうずくまって、震えながら泣いていたんです。
「おい!どしたんや!」
とDが尋ねると、Gは、
「やばい。やばいって。俺もうダメなんかな?」
と泣きながら僕らに訴えてきます。
「やけぇ。何があったんかって言っとるやろ」
するとGは
「俺、会ってしまった」
「誰に?」
「お教祖さまに。」
教祖様は人もどきですかね。
ご冥福をお祈りします。