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意味怖(意味がわかると怖い話)

ねこじろうさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

ひっくり返った顔
短編 2023/04/06 13:05 3,793view
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それはまだまだ寒さの続いていた3月のことだったと思う。

仕事によるストレスからか、毎晩私は奇妙な夢にうなされていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

私は何故だか動物園にいる。

昼間だというのに曇り空なのか、園内は古いアルバム写真のように、どこもどんよりセピア色に染まっていた。

歩く人影も、どことなく虚ろで疎らだ。

私はというと一人ぼんやりとガラス越しから、世話しなく動き回る猿たちを観ていた。

すると、

「あの、、、」

真横から女の声がする。

誰だろうとふと首を右に動かした途端、ゾワリと背筋が凍った。

30前後くらいだろうか、黒いドレス姿の色白の女が立っている。

ただ、女は普通ではなかった。

顔がひっくり返っているのだ。

つまり顎と口元が上で、頭部が下にあり、長い黒髪をダラリと下に垂らしている。

そんな異様な風体の女が怯えたような瞳で、下方からじっとこちらを見ていた。

う、うわあ!

私は恐ろしさのあまり、思わずその場から逃げるように立ち去る。

何度となく転びそうになりながら、園内の遊歩道を必死に走り続けた。

途中すれ違う者は皆、何故かさっきの女と同じ様なひっくり返った顔をしており、皆一様にあの怯えた瞳でこちらをじっと見ていた。

た、助けて、、、

何度となく転びそうになりながら、ようやく出口が見えてきた時、いつも目が覚めていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

連日そんな悪夢に苦しめられていた、ある日のこと。

その日の天気予報は、夜半から雨ということだった。

仕事を終えた私は、いつもの通り夜7時過ぎには4階にある自宅マンションに到着していた。

リビングに入りカバンを下ろすと、まっすぐ奥まで歩き、サッシ戸を開き、ベランダに出る。

朝出かける前に干した洗濯物を取り込まないといけないのだ。

冷たい風がサッと首筋を擽っていく。

正面を見ると夜空には星が見当たらなかったが、幸運にもまだ雨は降りだしていなかった。

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コメント(1)
  • 途中で予測つくな、洗濯のあたりでオチが。

    2023/04/22/02:30

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