心霊スポットのトンネル
投稿者:仁菜 (1)
これはホントにあった話ですが、私自身に霊感は皆無のため、一緒に居た私の友人の体験談となります。
大学生だった時の夏休み、私含め4人ほどで山口県と島根県の境目辺りの海沿いの国道をドライブしておりました。
とても天気が良く、ドライブ日和の正午頃です。
特に目的地も無く、友人達とおしゃべりしたり、歌を歌ったり、とても楽しい日になる予定でした。
そんな折、とあるトンネルに入ろうとした時です。
私は運転手を務めていたため、サングラスをかけておりましたが、そのトンネルは短いながらもライトがとても少なく、真昼ですが薄暗かったのでサングラスを外しました。
助手席の友人は運転手の私が退屈しないよう、私によく話しかけてくれておりました。
後ろの女子2人は、楽しそうに歌を歌っていました。
しかし、後ろの女子のうち1人が、トンネルに入った瞬間に黙り込んでしまいました。歌うのに疲れたのかと、その時の私はあまり気に留めませんでした。
そのまま、その子は静かに涙を流し始めました。ルームミラー越しに様子を見ると、暑い車内なのに震えています。酷く何かに怯えているようでした。
そのまま、車内ですが膝を抱えてうずくまってしまいました。隣に座っていたもう1人の女子が「どうしたの?」と心配そうに呼びかけても、泣き出した女子は何も答えません。
その様子のまま、1分も経たない内にトンネルを抜けました。
前に座っている私と友人も、車酔いの可能性も考え、一旦休憩のために駐車することを提案します。
しかし、泣いている女子は「まだ停まらないで欲しい。」とだけ応えましたので、そのまましばらくドライブを続行しました。
それから5分ほど経ちましたでしょうか。トンネルを抜けてしばらくたった時、泣いていた女子がようやく顔をあげたと同時に、恐る恐る後ろのラゲッジスペースに目をやりました。
「やっと居なくなった…」と呟きます。
私たち3人はその言葉の意味が分からず、もう一度「どうしたの?」と声をかけました。
すると、その子は、
「トンネルに入ってから、ずっと肩を後ろから叩かれていたの。」と話します。
当然ですが、5人乗りの普通車のため、後ろの席のさらに後ろは乗車スペースではなく、後ろの席に座っている彼女の後ろに誰かいるはずもありません。
前側の男2人は、そんなはずはないと、彼女が私たちを驚かすために言ったのだろうと思っておりました。
しかし、もう1人の女子は彼女の話を聞き、とても怖がっています。
そして、「この子、実は霊感がとても強いの。」と言いました。
だからといって、男2人はトンネルに入ってからも抜けた後も何も感じていなかったので、女子2人が協力して私たちを怖がらせようとしているのだろうと思っていました。
助手席の友人が、「詳しく教えてよ。」と言います。
泣いていた女子は、まだ怖がってる様子で、語り出します。
「トンネルが見えてきた頃から、少し寒気がしたの。最初は車内のクーラーの風が強いのかなと思ったけど、トンネルに入った瞬間から、肩を叩かれた気がした。それから、なんて言っているか分からないけど、女の子の声が聞こえた。絶対に後ろに誰かいると思ったけど、そんなわけないし、振り向いたらいけないと思って、うずくまってやり過ごしたの。
それから少し周りが明るくなったから、トンネルを抜けたな、って思った。肩を叩かれた感覚が消えて、声も聞こえなくなったけど、まだ後ろから視線を感じたから、早くトンネルから遠ざかってほしくて停まらないでと言ったの。とても怖かった。」
と、こんな感じの内容でした。
それから私たちの住んでいる町まで、1時間ほどドライブして帰りましたが、彼女はそれ以降、トンネルに入る前と同じように過ごしていました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。