心霊スポットのトンネル
投稿者:仁菜 (1)
解散した後、私はそのまま家に帰り、疲れていたため昼寝をすることにしました。
2時間ほど経った頃、昼寝から目が覚めた時、私のケータイが光っていることに気がつきました。
助手席に座っていた友人から、着信が2件ほどありました。
寝ぼけたまま、今日の運転のお礼の電話かな、と考えつつ、折り返し友人に電話します。
開口一番、「今日は運転ありがとう、また行こうな。」と言う友人の言葉に、予想通りとニヤニヤした私に、友人が続けてこう話しました。
「今日の彼女の話、正直全く信じてなかったんだけど、少し気になって調べてみたら、あのトンネル、心霊スポットで有名らしいぞ。」
背筋が凍りつくような、ゾッとした寒気と、鳥肌が私を襲いました。
私も自分で調べてみると、件のトンネルは、確かに心霊スポットとして紹介されていました。
冒頭に話した通り、私自身はおそらくですが霊感が皆無ですので、今までも所謂心霊スポットを訪れても、少し気味の悪いところと思うのが関の山で、特にそれ以上を感じることはありませんでしたが、その時の彼女の怯えよう、それからもう1人の女子の「この子霊感が強いの。」という言葉から、霊という存在を信じざるを得ないと思いました。
ここからは余談ですが、20歳までに幽霊を感じなければ、その後の人生で幽霊に会うことはないという話を聞いたことがあるでしょうか?
私もいつその話を聞いたのか、もう覚えていませんが、そにかくその話はいつも私の頭の片隅にありました。
当時この体験をしたのが、私が20歳まで後半年という頃。
ギリギリで、私が感じたわけではないにせよ、霊体験を間近で見てしまいました。
ただ、その後何度か1人で例のトンネルを通ることがありましたが、特に何も感じることは無く、その事から、やはり私には霊感は無いと、そう思っていました。
それから時が経ち、私が21歳のお盆、飲食店でアルバイトを始めていた私は、休むことなくアルバイトに明け暮れていました。夜の営業時間も終わり、車通勤がNGだったため自転車でアパートまで帰っている時です。
とある橋を通っている時、見覚えのある人とすれ違いました。高校の時の同級生だ、と思い出し、ブレーキをかけて振り返ろうとした瞬間、急に鼻血がでてしまいました。
バイト終わりで髪のセットも崩れ、更に鼻血まで出てしまい、恥ずかしくて私はそのまま振り返らずに立ち去りました。
しかし、急に私はあることを思い出し、2年前に友人と電話して感じたあの寒気と鳥肌が全身を襲いました。
それは、今まさにすれ違ったはずの同級生が、半年前に亡くなったということです。
そこまで親しい仲ではなく、別々の大学へ進学してからは連絡をすることも少なくなり、葬儀も呼ばれませんでしたので、亡くなったのは友人から聞いた話です。死因は自殺とのこと。
あの時、私は振り返らずに立ち去ったため、果たして霊感のないはずの私がすれ違ったのは、全くの人違いか、それとも…
その橋が心霊スポットなのかどうか、怖くて未だに調べていません。
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