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心霊

YoyoYoyoYさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

お骨仏の寺
短編 2023/01/13 19:02 830view

我が家は、女の子ばかりで跡取りの男の子がいません。
父方の親戚も、みな従姉妹です。
「うちは継いでくれる男子がいないから、お墓を作るのは止めましょう。墓守がいないと迷惑が掛かるからね」と祖母は決めました。

永代供養をして貰えて、無縁仏にならずに済むようにと選んだのが、人骨を集めて作るというお骨仏のお寺でした。
お寺と言ってもモダンな作りで、全国から毎日供養を求める参拝者が後を絶ちません。
祖父が98歳で亡くなり、葬儀を終え49日が過ぎたのを機に遺骨を納めに来ました。
祖父は、90歳過ぎてもアクティブな人で、電動自転車で10キロの道のりをサイクリングするほど元気でした。

ところが、97歳の誕生日を境に一気に体調を崩し、あっという間に天寿を全うしてしまいました。
「俺は130歳まで生きる!」と豪語していたので、通常なら「大往生」と言われる歳でしたが、本人は無念だったことでしょう。

「おじいちゃんは、ここでお骨仏になるんだよ」

骨壺を抱く父を先頭に、寺の本堂へ上がろうとしたときでした。
「うわ!何か、肩が凄く重い!ちょっと待ってくれ、動けない」
父は身動きが取れなくなりました。
「ええ~何やってんの~ぎっくり腰とか?後がつかえてるのに」
母も周囲の目を気にしながら父を促します。
「だから、動けないって言ってるだろう!」
しばらくして、ゆっくりとなら動けるようになった父はご住職に骨壺を渡し、卒塔婆を立てて頂き念入りに供養してもらいました。

「おじいちゃん、もの凄く嫌がってたんだろうね」
「130歳までは生きられなかったものね」
アクティブな祖父らしい最後の抵抗でした。

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コメント(1)
  • さぞかし無念でしたでしょうね。
    ご冥福をお祈りします。

    2023/01/13/20:49

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