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呪い・祟り

じぇむさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

古民家の柱
短編 2022/12/18 14:45 1,686view
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祖父母の家から100メートルほど先に古民家がありました。
そこは、長いこと空き家になっており、賃貸物件として出されていましたが、住む人がいませんでした。

その古民家には、コンクリート製の柱がありました。
柱は左右両端に建っていましたが、何故か右側の柱辺りでケガをする人、車をぶつける人が少なからずいました。

そんなこともあり、祖母は出来るだけ古民家の前の道路は通らずに、違う道を行くよう言っていました。
ところが、迂回すると遠回りになる場所もあったので、私はたびたびその道を利用していました。

それからしばらくして、近所で印刷会社を経営する社長さんが、その柱に車をぶつけました。

ちょうどそのとき、小学生が通行していたようで、その子供にも接触してケガをさせてしまったようです。

祖母は「ああ、またか」と言いました。
「死亡事故まではいかないけど、何かと多いよね」と言うと祖母は話してくれました。

「あそこはね、戦争中、町内で亡くなった人を荼毘(だび)する場所だったんだよ。戦争体験をした人しか知らない事実だから、私ら世代しか知らないんだよ。本当は、慰霊塔とか建てた方が良いんだけどね」

ああ、それで何やら独特な雰囲気だったのだと納得がいきました。
その話を聞いてから、古民家の前は通らなくなりました。
今はもう、その古民家も取り壊され、すっかり野原になっています。

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