事故現場
投稿者:Fino (6)
その昔、付き合っていた恋人とドライブに出かけた時のことです。
好きな音楽を聴きながらドライブをしていた帰り道。いつもは通らない知らない道で帰ろうという事になり、なんだか狭い道に出ました。狭い道なのに交通量の多い場所でした。
「なんだか狭い道だね…」
「あぶないよなこういう道」
そんな他愛もない会話をしている途中で、やたらと車の流れが悪くなり、ふと前方のほうを見ていると警察車両と救急車が止まっていました。
「事故かな?」
「そうかもね」
「渋滞か…ま、音楽でも聞いてゆっくり行きますか」
「そうね」
なんだかんだと話をしていると、とうとう事故現場に到達してしまいました。
「結構ひどい事故だったみたいだな」
「そうなのかもね」
そんな事故現場を横切り、家路へ急いでいたときのこと。なんとなく私の胸が苦しくなってきて、息もしづらい状態になり、うずくまるように息をしていました。
彼がすぐ私の異変に気づき、「どうした!!?」と叫んでいるようでした。
うろ覚えなのですが、彼は私の顔を見るなり顔面蒼白になり、まっすぐ前を見据えて急いで運転を再開したのを覚えています。
どうやら先ほどの場所で私は『憑依』されたようです。彼の顔を見て一瞬で私に今何が起こっているのかがわかりました。
彼は無言で私を家の前で降ろした後、ものすごいスピードで走り去って行ったのを覚えています。
「…よくあることなのに…またわたしフラれちゃうかな…」
そんな事を思いながら家路についたのを覚えています。
彼とのその後が気になります。。