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不思議体験

皐月さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

なんでここにいるの?
短編 2021/02/16 21:02 2,074view

私が不思議な経験をしたのは、二十歳の頃でした。その頃、どうしてもイラストの勉強がしたくて、1年間だけ東京で暮らしていたんです。

交際していた彼は大反対だったんですけど、なんとか説得して上京しました。

何度も浮気はするなと念を押され、疑い深いなと思ったんです。

でも、東京である男性と知り合って浮気をしてしまいました。相手は、飲食店で働いている人で、まさに都会の男性という感じでした。

彼に悪いなと思いながらも、私はその男性と時々デートしていました。

そして、初めてその男性を部屋へと招くことになったんです。夕食の用意をして、後はお酒を用意するだけと思って、顔を上げた私は、ギクッとしました。

ソファに、北海道にいるはずの彼氏が座っているんです。

私は驚きました。来るなんて一言も言ってなかったし、それに、ドアが開いた気配もしなかったんです。それに、なんだか表情が固くて、まるで怒っているように見えました。

「いつ、来たの?」

聞いてもなにも答えませんし、表情も変えません。そして、もっと言うなら、まるで血の気がないように感じるんです。

なんだが、とても怖くなってしまって、私は何を話していいかわかりませんでした。

その時、チャイムが鳴って、男性が来たことがわかりました。私は、慌ててその男性に用事ができたので帰ってと言いました。

その男性は、かなり不機嫌になってしまいましたが、仕方がありません。

そして、改めて彼と話そうとしたら、彼がいないんです。さっきまで確かにソファにいたのに。

私は、最悪な事態も考えて、急いで彼に連絡をしました。

まさか、まさかとは思いますが、もしかすると彼はもう魂だけの存在になったのではと、不安になったのです。

電話をすると、彼は元気で別に体調にも異変はないということがわかりました。

彼に、さっきあったことを話そうかどうしようか悩んでいたら、彼の方から話し始めました。

「そういえばさ、お前のところに行く夢を見たよ。お前が料理作っていてさ。スッゲー嬉しくて、食べようとしたら目が覚めた」

私は、ドキドキが止まりませんでした。

このことを、彼に言うべきかどうか、かなり悩みましたが、言わないことにしました。

言えば、浮気をしていたことがバレてしまうと思ったかし、信じてもらえない気もしたんです。

あのとき、ソファに座っていたのは、あまりにも焼きもちを焼く彼が私の様子を見に来たのか。それとも、浮気をしていたから、彼への罪悪感から見た幻なのか、いまだにわかりません。

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コメント(1)
  • 生霊ね、貴女のことが気になっていたのか、貴女の罪悪感なのかは分からないけど、もし罪悪感の中でおこったことなら家に招かない方が良かったわね、もし新たな彼氏を入れていたら夢か幻覚などで貴女の様子を見られていたのかもしれないわね。それだけ貴女を愛していることになるわ、彼が浮気するまでは大人しく彼が帰ってくるのを待ってあげてほしいわ。

    2021/03/26/11:30

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