「物置小屋に住んでいる人」
投稿者:ぴ (414)
うちの地元のあたりには、昔からある都市伝説めいた言い伝えがあります。
「物置小屋に住んでいる人」という話です。
ある日物置小屋から知らない男が出てきました。
貧しい家の主人はよろよろしてやせ細ったその人をいたく心配して、看病してしばらく家に住まわせたのです。
そしたらその男は治った頃に何も言わずに出ていきます。
男が家からいなくなる直前に小さな袋を残しており、それはざくざくぎっしりと袋に詰め込まれた大判小判でした。貧しい家の主人はこうしてお金持ちになりました。
一方の別の家では同じくよろよろやせ細った人が物置小屋から出てきます。
その家の主人は大地主のお金持ちで、そのやせ細った男が無断で物置小屋を使ったことに腹を立てて、ぼこぼこに殴って追い出してしまいます。
それを機に大地主の主人に次々とトラブルが起こり、家が傾いていきます。
そんなある日屋敷に帰ると何やら大きな袋が置いてあり、その袋を開けると大きなとぐろを巻いたハミでそれに嚙まれた主人は命を落としてしまうのです。
物置小屋に住んでいる男は昔から家を守っている妖精が姿を変えた姿だという言い伝えです。
物置小屋から出てきた男への対応次第で、妖精は善にも悪にも染まるのです。
だから昔から知らない人にも優しくあれと育てられましたが、実際のところ物置小屋から突然出てきた見知らぬ人に簡単に優しくできるでしょうか。
ただ人が困っていたら少しでも手を差し伸べられる善人でいたいと思います。
物置小屋ってのは 例えでな