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心霊

セブンさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

川に面したホテルでの心霊体験
短編 2022/06/09 23:20 1,350view
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私がホテル勤務時代の話をします。
私はその日は夜勤でした。仕事をひと段落終えた夜中の1時頃。
先輩から休憩に入っていいよといわれ、私は仮眠するために空いている客室のカギを持って部屋へいきました。(そのホテルでは空いている客室のチェックを兼ねて仮眠で使用することができました。)

メイクを落としてシャワーを浴びた後、私はすぐにベッドで横になりました。
その日は7月の蒸し暑い夜でした。部屋のクーラーが効きすぎていたので、私は客室の窓を大きく開けました。
外から生暖かい風が入ってきて、冷房で冷えた空気と混ざり合い、ちょうどいい温度になりました。
部屋のライトを薄暗くして、私はすぐに眠りにつきました。

どのくらい眠ったでしょうか。
部屋の入口のドアが確かに開くような気配がしました。

私は、あれ?寝過ごした?先輩が様子見に来た?と思いました。でもすぐに、おかしい、寝過ごしたならまず携帯か客室の電話が鳴るはずだと思いました。
誰が入ってきたんだろう・・・カギを閉め忘れた?まさか、宿泊客を狙った強盗?

既に何者かの気配が室内にあることを察知した私は、とにかく怖かったのでそのまま狸寝入りをすることにしました。
すると、その気配が入り口からバスルームの方へゆっくり移動し、私が横たわるベッドの足元まで来て止まりました。
ベッドの下の脇まで来たその何かわからない気配は、更に明確に、はっきりとした気配になりました。

殺されるかもしれない、そう感じた私はあまりの怖さにとにかく目を開けずに寝ているふりをしてやり過ごそうと思いました。
不思議なことに、窓を開け放っていたはずなのに、部屋の空気が凍り付くように冷たいのです。
しばらく足元にあったその気配が、段々ゆっくりと体の下から上がってくるのが分かりました。
絶対目をあけちゃいけない、そう思った私は更に寝たふりをつづけました。

そしてその気配が、とうとう私の枕元に立ち、上から私の顔を覗き込んで凝視しているのを感じました。その距離、僅か数センチ。
ものすごく冷たい空気が顔のすぐそばにあるのを感じました。
ああ、どうしよう、怖い、やばいこれ、私、殺されるの・・・?そう思った時です。
設定しておいた携帯の目覚ましが鳴りだしました。
するとその瞬間、今までの冷たい気配が一気にきえ、部屋の温度が生暖かくなりました。
私はとびおきて、メイクもままならないまま、制服をきながらダッシュでフロントに降りていきました。
先輩は私の様子に驚いて、「すごい慌てて、どうしたの?」と言いました。
「で、出ました。出たんです。見てないですけど、はっきり、物凄い気配でした!!怖くてあの部屋にはもういられません!ここって、そういうの何かあったんですか?」そう私が言うと先輩が笑って一言だけいいました。
「それは、出ない、と思わなきゃね」

その後、たまたま行ったバーのマスターに霊感があるという方がいたのでその話をしたら、「あのホテルね。川に面しているでしょ。あそこ、霊道なんだよ。物凄い行き来があるよ」と教えてくれました。
私を確かに覗き込んだのは、やっぱり見てはいけないものだったのかもしれません。

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