飼い犬が亡くなって・・・
投稿者:セブン (2)
私の実家には13歳になる老犬がいました。私が高校生の頃に買い始めた犬です。
皆に愛され、可愛がられていましたが、晩年は癌に侵され、13年でその生涯を終えました。
最後を看取ったのは母でした。いつもの動物病院で痛み止めの注射をうってもらい、その帰りの車の中でした。
助手席の足元で母に頭を撫でられながら息を引き取りました。
家族だけでお葬式をし、火葬をした翌日から、母が不思議なことを言うようになりました。
「洗濯物をほしていたら、あの子がいつものように足元をすり抜けてくる感覚があった」
「洗面所にいたら、あの子がいつもするような勝手口の網戸を爪でひっかく音が聞こえた」
「キッチンにいたら勝手口のほうからカリカリあの子の爪の音やパタパタと首をふっている音が聞こえた」
私たち家族は愛犬の喪失から来る母の幻聴だと言ってました。
そのうち今度は私の子どもが庭の方をながめては「ワンワ、いるねぇ」としきりに言うのです。
どこに?ときくと「そこ」と指をさすのです。
子どもにはなにか不思議なものが見えるのかなぁと思いました。
母の幻聴は日がたつにつれ減っていきました。
私たちは「ほら、絶対精神的なものだって」とあまり信じていませんでしたが、母は「あんたたちにはないだけ!」と言っていました。
丁度愛犬が亡くなって49日がすぎる頃、その日は私の夫と子供と共に実家に皆で集まり、夕飯を食べていました。
ワイワイいいながら夕飯を食べていた時の事です。
「クゥ~ン、ワン!!」という鳴き声がはっきり聞こえました。
私は思わず夫を見ました。夫も驚いたような顔で私を見ていました。私の妹も「え?!」と動きを止めました。
「あの子の声がする!!!」
愛犬の生前、食事時になるといつも勝手口の土間で、早く自分もご飯を頂戴と催促するように、控え目な声で愛犬は鳴いていました。
そのいつもの声を同時に私と夫と私の妹が聞いたのです。
みんな驚いて立ち上がり、勝手口に行きました。
ひょっとしてどこかの迷い犬がきたのかな?
そう思って、勝手口を開けましたが、そこには何もいませんでした。
その日を境に、母の幻聴のようなものはぱったりなくなりました。
あれが最後のお別れだったのかなぁと今でもみんなで話しています。
大概の動物は四十九日でお空にかえるみたいですね。
同じ体験があります。うちは猫でしたが、ドア開けてほしいときにガリガリ引っ掻いてた音がしました。