祖父の祟り?
投稿者:とくのしん (65)
高校のときの友人Y君の話です。
Y君はとても人が良く、頼まれると断れないタイプ。
そんなY君が中学のときに体験した話です。
Y君のクラスメイトにMというちょっと風変わりな人がいたそうです。
ちょっと変わっているけど悪い奴じゃない、ということでY君は仲良くしていたそうです。
MがY君に今度泊まりにこいよ、というので泊りにいくことになりました。
Mは父と母と3人暮らし。少し前に祖父が亡くなったという話は聞いていたそうですが、皆M同様悪くはないけどちょっと変わっているという印象だったとか。
夕飯をごちそうになり、Mの部屋で遊んでいるとヒソヒソと誰かが話しているような声が聞こえた気がしました。
Y君の様子に気づいたのかMがどうした?と声をかけてきました。
隣の部屋誰かいるの?と聞くと、いないと答えるM。話し声がしたような気がするとY君が言うと、アニメのポスターをMがいきなりひっぺ替えしました。
するとそこに人の顔のようなシミが・・・。
Y君が驚いていると「最近、このシミから声がするんだよな」とMは笑いながら言いました。「多分死んだじいちゃんなんだ」とあっけらかんと言ったそうですが、Y君は言い知れぬ恐怖を感じたそうです。そのシミは苦痛で歪んだ表情のように見えたと言っていました。
あまり気にしないようにしながらゲームをしたりMと遊んでいましたが、夜も遅くなったため寝ることに。気が付けば深夜1時を回っていました。
布団に入ってウトウトし始めたとき、階段を物凄い勢いで駆け上がってくる音がしました。
Y君は慌ててMを起こすと「あぁ、それもじいちゃんだ」と平然と答えたそうです。
どんな人物だったか知らないが、物凄い勢いで階段を駆け上がってくる老人がいるか、と内心思ったそうですが、怖くてそれ以上言えなかったそうです。
布団を頭からかぶり何とか寝ようとすると「ああああああ」とMが声を上げました。
最初は悪ふざけかと思っていたそうですが、「ああああああ」「おおおおお」とうなされている様子。かぶっていた布団こっそり様子を伺うとMは立っていました。
Y君は何事かと思ったそうですが、Mは立ったまま唸っています。
ナツメ球だけが点灯する薄暗い部屋の中、立ち尽くすMの様子は目を疑うものでした。
白目を剥いて唸っていたそうです。
Y君はMを心配して声をかけようとしたそうですが、白目を剥いた顔を見て布団から出られなかったと言います。
少しするとMは例のシミがあるアニメポスターに向かって「すいませんすいません」と連呼し始めました。「すみませんすいません俺が悪かったです」「ゆるじでゆるじで!」と頭を横に振りながら叫んでいます。
失禁するほど怖かったとY君。すると部屋のドアが開きました。
そこにはMのお父さんとお母さん。Mを心配してきたかと思ったら、両親もただただその様子を見ていただけと言います。何も言わずただMを眺めているだけの両親の表情は無表情だったと言います。
どれくらい経ったか、Mがいきなりバタンと後ろに倒れました。Mが死んだと思ったというくらい勢いよく倒れたそうです。Mはしばらく痙攣していたそうですが、しばらくすると落ち着いてそのまま寝てしまったそうです。
Mが静かになると両親は何も言わず部屋のドアを閉めて出ていったそうです。
翌朝、Mが「昨日はじいちゃんが煩くて悪かったな!」とY君に言ってきました。
Mに大丈夫?と聞くと「何が?」と夜中の出来事を覚えていません。
朝食を食べに居間に行くと、Mの両親がいました。二人とも明るく接してくれたそうですが、無表情でMの部屋に来た姿を思い出して、とてもじゃないが話せなかったといいます。
一睡もできなかったY君は、Mのもう一泊していけよ!という誘いを全力で断って帰ったそうです。
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