野外学習の肝試し
投稿者:uquiep (2)
私は昔から、霊感のようなものがあるのかもしれませんが、それに気づくのがいつも少し遅いため、不快な思いになったことはありません。
どう言うことかと言うと、私が見てしまう幽霊らしきものは、人間同然に見えるため、怖いと言う気持ちが起きないのです。
普通にそこに人がいて、ただ横を通り過ぎている感覚に過ぎないのです。
私がその特性があることに気づいたのは、中学校2年生の時に必ずある野外学習での出来事でした。
野外学習は愛知県にある自然の家という合宿所で行われました。その自然の家には、学校からバスが用意され、1クラス1台に分かれて向かいました。
向かう途中にバスは止まり、“ここからは歩いて向かいます”ということが担任の先生から告げられました。
その理由は、自然の家に向かう途中に愛知県で有名な心霊スポットがあり、肝試しをするためにそこを通っていくというものでした。
心霊スポットは長いトンネルでした。
その時はまだ、昼間だったため、トンネルの中は薄暗く、足元が見える程度でした。
その時は私もさすがに、幽霊に対して恐怖はないと言ったものの、雰囲気に気持ちが折れてしまい、少し恐怖を覚えた記憶があります。
トンネルの壁には様々な文字が書かれており、名前だったり、死んでしまえなど、不気味な言葉も中にはありました。
後から聞いた話ですが、ここのトンネルでは、事故で亡くなられた方がたくさんいて、その他にもここに書いてある名前の方が自殺しているなどの迷信も数多く存在するとのことでした。
本当かどうかわかりませんが、本当なのかもしれないと思ってしまうほどの物々しさを感じました。
なんとか、嫌々ながらも、友達と手を取りながらトンネルを超えて抜け出すことができました。
やはり、怖いという感情があると少し体に力が入るため、トンネルから抜けてしばらくの間は、少しの吐き気に襲われました。
何がともあれ、私たちは自然の家に到着しました。
自然の家では、生きた魚を掴み取りして焼いて食べたり、班の子たちとカレー作りをして食べるなど、様々なイベントがありました。
イベントをしているうちに、だんだん楽しくなっていき、いつの間にかトンネルのことなど忘れていました。
イベントも終わり、次のやることを野外学習のしおりを見ながら、イメージをしていました。
しおりには、部屋でのんびりお友達とトークタイムと記載がありました。
私はイベントなども好きですが、アクティブではない為、内心ほっとしていました。やっと部屋でのんびりできるのかと。
のんびりタイムの前に、今日の振り返りをするために、全員自然の家にある体育館に集められました。
そこで、驚きのことが発表されました。
“なんと、実は今からキャンプファイヤーと肝試しを行います”と学年主任の先生の方から、衝撃発言が告げられたのです。
私は、驚きとのんびり出来ないことにショックを受けていました。
すごく嫌だなーと思いつつも、半強制的にキャンプファイヤーが始まりました。
キャンプファイヤーでは、生徒の恐怖心を煽るような怪談話を他クラスの担任先生が気持ち良さそうに話をしていました。
その後に、全員で頑張ろうという気持ちを込めてなのか、全員で簡単なダンスを踊りました。
キャンプファイヤーとダンスはなぜセットなのでしょう。私は運動も苦手ですし、潔癖なので手を繋ぐという行為は好きではありません。
そう言いつつも、なんとかやり過ごし、いよいよ肝試しです。
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