野外学習の肝試し
投稿者:uquiep (2)
さすがに、恐怖心はかなりありました。
お昼のトンネルとは違い、今は夜です。前も見づらく、自然の家というだけあって、あたりは木が生い茂っており、暗い道中を歩かなければならないのです。
14歳の少女にはなかなか辛い試練でした。1グループ4〜5人のグループに別れ、森の夜道を歩き始めました。
歩き始めてしばらくすると、誰かが追いかけて来る音がしました。
振り返ると”ねえ、わたしとあーそぼーーーー”と言いながら少女が小走りで追いかけて来るのです。
おおお!と流石にびっくりしましたが、私はどこか冷めている性格も兼ね備えているので、どんな顔しているのか見てみようと、じっと待ってみました。
その間、グループの他の人たちは走って逃げてしまいました。
追いかけて来る少女を見ると、他クラスの学級代表の子でした。
なんだ、お化け役の子がいて、きっと各クラスの学級代表の子がやっているんだなと全てを悟りました。
その後は、あまり恐怖心なく、他のグループの子に追いついて、大丈夫大丈夫となだめながら一緒に歩いて行きました。
ただ、一ヶ所だけ他の学級代表の子達と少し雰囲気の違うお化け役の子がいたのが気になっていました。
どのクラスの学級代表の子も、驚かす為に必死で、何か声を出しながら迫ってきたり、急に動いたりなどをして来る感じでした。
気になったその場所の学級代表の子だけは、他のクラスの子たちとは違い、何も言わずに斜め下を向きながらただただ立っているだけでした。
そのことが私の中でどうしても気になり、歩いている道中もあんな感じの子他のクラスにいたかなと考えながら歩いていました。
もし、いるとしたらすごく上手に演じていて、クオリティ高いなあと感心していたくらいです。
そして、私はその時、自分のクラスの学級代表の子と親しくしていたので、あの場所にいた子が誰だったのかを、肝試しが終わってから聞くことにしました。
“あのさ、◯◯の場所にいた女の子、どこのクラスの学級代表の子かわかる?すごくリアルでクオリティ高すぎて、驚いたんだけど!”と少し目をキラキラさせながら聞きました。
すると、親しい学級代表の方からは、”え。そこの場所、確か誰も学級代表は担当してなかったと思うよ。少し行くと崖になっているから先生たちから、くれぐれも場所間違えて行くことがないように言われていたところだから。”と衝撃の事実を聞かされました。
怖いという気持ちより、本当に?という疑問すら生じるほど、人間の姿でした。こんな事が自分の身に起こるなんて想像もしていませんでした。
今でも幽霊らしきものは、意識して見たことありませんが、気付かぬうちに見ているかもしれません。
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