近くにいるの？

これは私が帰省したときの話です。

色々と忙しくなかなか家族との予定も合わなかったのですが、法事があるということで数年振りに県外の実家に帰省することになりました。

田舎なので、法事には家族だけでなく親戚も集まります。準備のために今はなき祖父母の部屋の片付けやらしていたときの事でした。

日中の作業ですが、薄暗い部屋だったのでそのときは灯りをつけていました。今は荷物置き場ですが、もともとそこは祖母の部屋だったのです。座布団を出したり、お茶を振る舞うときのお盆を探したりしていたときに、つけていた灯りがチカチカ点滅しました。

古いから仕方ないのかなと思ってましたが、その直後、急に電灯の光が明るくなったのです。

といっても、その部屋で作業しているのは私1人。電灯もスイッチでつけるようなものではなく、その場で引っ張るタイプのもの、誰かが調節できるものでもありません。

不思議に思って、この事を夕飯時に家族に話しました。

「姿かたちは見えないけど、やっぱり祖母が近くに来たのではないか?」というのが大方の意見。法事も近いし、久しぶりにみんなが集まるのが嬉しいのかもしれない、そんな風に考えました。

法事中もなぜか風が強く吹いたり、お経を録音しているカセットデッキが飛んだり、何だか近くに来てるのかなと思わせるような法事でした。