『それ』も結局は他人事でしかない話
投稿者:ウェンディゴ (8)
寝る前に怖い話を読んでいたらその内容が夢に出る、とよく言いますが、私の場合はふとした時に『自分が殺される夢』を見ます。
夢の内容を細かく覚えてはいませんが(そもそも夢について詳しく思い出したりするのは精神的に良くないことだと聞いたので)、毎回違った殺され方をしたと思います。
なんとなく「それはIFの世界のことかな?」なんて子供心に妄想したこともありました。学生時代は友人たちと好きな漫画やアニメの話で盛り上がることが多かったので、自然と想像豊かに育っていたのかもしれません。我ながら可笑しな話です。
ですが、一度だけおかしな時がありました。ちょうど昨日のことです。その夢で私は自宅で知らない人に刺し殺され、あまりの胸の痛みにベッドから飛び起きたのです。夢の内容は悪くてもうなされることは殆どなかったので、流石にびっくりしました。典型的なホラー漫画と同じように、背中が汗だらけで気持ち悪かったです。
ですが、それに関しては単に寝ている間に暖房が効き過ぎていただけだったとも思いました。起きてすぐの間は、まるで本当に刺されたかのように胸が痛んでいましたが、次第に収まりました。なので、結局その日も「あーなんだ、いつもの悪い夢か」と流しました。
しかし、夜にたまたまあるネットニュースの記事が目に飛び込んできました。〇〇県で女性が殺害された事件です。なんでもナイフで胸を一突き。更に被害者の自宅ごと遺体は激しく燃えてしまったそうです。
特にその被害者と私に共通点はありません。あるとすれば……例えば『ネットで同じハンドルネームを使っていた』とかでしょうか。でも共通点にカウントするには少し無理があります。
もう少し他の記事も読んでみると、全国各地で傷害事件や殺人事件が増えていました。「警察は何やってんだか」と溜め息ばかりが漏れます。地元を離れて一人暮らし中なのですから、街の治安は出来るだけ良い方が嬉しいに決まっています。
寝る前に嫌な記事を沢山読んでしまったので、今日の夢もあまり良くないでしょう。二日連続で悪夢はキツいです。
しかし、ちょうど憂鬱な気分を吹き飛ばすようにインターフォンが鳴りました。昨日寝る前に買った通販が早くも届いたようです。最短で三日と書いてあったのですが、神様は可哀そうな私にちょっとした慰めをプレゼントしてくれたようです。
受け取り損ねては配達業者に悪いと思い、私は急いで玄関を開けに向かいました。慌てていたので、モニターは確認しませんでした——
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