原生林の小さな池の恐怖
投稿者:ヤマネ (18)
短編
2022/04/02
18:46
1,166view
これは私が小学生だった頃の怖い体験です。当時住んでいた地域は何の変哲もない住宅街でしたが、割りと近くには田畑に囲まれた原生林がありました。
原生林の中には土の道が通っていて、通学路に利用する子供も珍しくなかったです。
そしてそこには、何十年も前に子供が溺れ死んだという、小さな池がありました。
友人の家が近いこともあり、私は時々ここで池に石を投げたりして遊ぶことがありました。そんな夏のある日のこと、また友人と池で目的もなく遊んでいたところ、もう空も暗くなってきたし、帰ろうということになりました。
そして暗がりの池から離れる時に、誰かの声が聞こえたような気がしたのです。それで隣にいる友人に今何て言ったの?と訪ねたり、色々会話をしていたのです。
すると背後から「おい」と声がして、振り向くと、彼が言いました。
「お前いま、誰としゃべってんだよ」
それは隣りにいるはずの友人でした。ふと隣の暗がりに目をやると、そこには誰もいなかったのです。私は怖くなって立ち上がると、わーっとその池から逃げ去りました。友人の話では、立ち去る時に何かが追いかけてきた気がすると言っていましたが、その後その友人とは仲が悪くなって疎遠になったり、腕を怪我したりして良いことがなかったです。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 7票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。