消えたはずの赤い光
投稿者:パピコ (2)
私が体験した2018年9月彼氏と東北旅行に出かけたときの話です。
私が住んでいる県からは3時間くらいで東北に行けるので、日帰りで旅行に行くことになりました。
3連休だったこともあり、どこに行っても混んでいましたが、美味しい牛タンを食べたり、観光をしたりしながら1日心いくまで楽しみました。
帰りが思いのほか遅くなってしまい、仙台を出たころには夜10時をまわっていました。
しかし、3連休の中日ということもあり、車もそこそこ走っていました。
高速道路には東日本大震災のときに被災した、福島第1原発の影響で、放射線の測定量が何メートルかおきに表示されていました。
福島第1原発に近付くにつれて、放射線の測定量が増え、帰宅困難区域という看板が見えました。
朝通ったときは気づきませんでしたが、街灯や信号もまったく点灯されておらず、街は暗闇に包まれていました。
寂しさを感じながら暗闇を見つめていると、その暗闇の中にぼんやり赤い何かが見えました。
車のガラスに何かが写ったのかなと思い、窓を開けてみました。
それでもその赤い光のようなものは、小さく揺れながら街の暗闇の中を少しずつ移動していました。
私は不思議に思い、運転をしていた彼氏にそのことを伝えました。
彼氏が少しだけスピードを落としてその方向を見ると、赤い光はスゥーっと上へ上へと向かい、夜空に消えていきました。
結局それが何だったのかは分からず、私たちは特に気にも留めず家に向かいました。
夜12時ごろ、高速道路をおりました。
もう少しで家に着くと思った矢先に、彼氏が「少しだけ仮眠をとっていいかな?」と訪ねてきました。
突然ものすごい眠気が襲ってきたとのことで、私たちは近くのロードパークで1度仮眠をとることにしました。
ロードパークは私たち以外に停まっている車はなかったものの、街灯も明るかったため、安心して仮眠をとることができました。
「もう、限界」そうつぶやくと彼氏が車のシートを倒して眠りにつきました。
私も同じように車のシートを倒して、静かに目を閉じました。
5分後、「ねぇ、何か音がしない?」と彼氏がつぶやきました。
私には何も聞こえなかったため、「何の音もしないよ。風の音じゃない?」と言いました。
彼氏も「気のせいか。」とそこまで気にも留めず、もう一度眠りにつきました。
私がもう一度眠りにつこうと横になった時、車の後方からザクッという音が聞こえました。
土の上を歩いているような音でした。
ザクッザクッとその音は、ゆっくりと一歩ずつ近づいてきている感じがしました。
私は怖くなり彼氏の方に目をやると、彼氏もその音に気付いていたのか、私の方を向き険しい表情をしていました。
私たちが恐怖で固まっていると、ザクッザクッという音が止まりました。
しばらくすると、今度は人の話し声が聞こえ始めました。
何を言っているのか明確ではありませんが、何人かの人たちがヒソヒソと話している様子。
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