消えたはずの赤い光
投稿者:パピコ (2)
もちろん夜中のロードパークに私たち以外の人はいません。
私は目だけを必死に動かし、車のサイドミラーを見ました。
すると車の後方にさっき空に消えたはずの赤い光が何個か見えました。
その光たちはぼんやりと浮かび、赤い光を放ちながらユラユラと揺れています。
彼氏もその赤い光を確認したようで、決死の思いで起き上がり、急いで車のエンジンをかけました。
幸いなことにエンジンは無事かかり、彼氏と私は一目散にその場を後にしました。
その日は彼氏も私も、その出来事を一切言葉にすることができず、ただひたすらに家を目指し帰宅しました。
家に着いた頃には冷や汗でびっしょりになりながら、旅行とはまた別の疲れを感じていました。
それから数ヶ月後、彼氏と会うことになりました。
実は東北旅行の後、私も彼氏も仕事が忙しくなってしまった為、中々会うことができずにいました。
待ち合わせ場所の喫茶店に行くと、そこには前よりも少し痩せて疲れきった彼氏と、中年の女性が座っていました。
私が挨拶をすると、その女性は彼氏の叔母だと挨拶をしてくれました。一通り注文を終えると、叔母さんはゆっくりと口を開きました。
「あなたは体調に変化はない?」と私に尋ねてきました。
私が「はい、特に大丈夫です。」と答えると叔母さんは、彼氏が東北日帰り旅行に行った後から、変な夢を見ることが増えたり、常に誰かに見られているような視線を感じることがあるみたいと言いました。
また、最近は体が重く感じて急に高熱を出したり、寝ている時に誰かが上にのっているような感じもするとのことで、霊感が強い叔母さんに相談をしてきたとのことでした。
私はその話を聞いて、とても怖くなりました。
実は私も東北日帰り旅行の後から、見えない何かに追いかけられる夢を見たり、誰もいないはずなのに人の気配を感じることが増えたのです。
叔母さんは、「おそらく何かが憑いてしまった可能性がある。
一度お祓いに行った方が良い」とお祓いを強く勧めてくれました。
私と彼氏は急いで、叔母さんの知り合いの神主さんの元を訪ねました。
神主さんは私たちの話を一通り聞いた後、丁寧にお祓いをしてくださりました。
お祓いを終えた後、あれだけ重かった体がとても軽くなり、不思議と気持ちがスッキリとしました。
ほぼ毎日見ていた変な夢をみることもなくなりました。
彼氏は、もともと霊感が強かったためか、体調が元に戻るのに時間がかかりました。
ひどいときには、仕事も手につかないくらい体がだるくなり、病院で検査を受けても特に異常はみられないといった日々が続き、1ヶ月間で10キロ近く痩せてしまったとのことでした。
ボロボロな状態だった彼氏も、何回かお祓いをしてもらううちに、だんだん元気を取り戻してきました。
彼氏が完全復活したころに、彼氏と叔母さんと神主さんの話を聞きに行きました。
神主さんによると霊の種類など詳しいことは分からないが、恐らく私たちが見た赤い光は火の玉に違いないとのことで、自分の抱える寂しさや辛さを少しでも分かってほしいと思い、私たちに憑いてしまった霊とのことでした。
神主さんは「今はお祓いによりしっかりと成仏をしているので、安心して大丈夫だよ」と笑顔で言ってくださりました。
たまたまその場所を通っただけなのに、霊との波長が合ってしまうと憑かれてしまうことがあるとのことです。
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