行方不明の真相
投稿者:二十左衛門 (3)
僕の友達にA君というクラスのお調子者がいました。
A君は、いつもふざけた物言いでクラスを笑いで盛り上げていて人気者の地位を盤石にした存在、僕はそんなA君を羨ましく思っていました。
と言うのも、僕は引っ込み思案で小心者。
いつもうじうじもじもじと口ごもり、ただの会話のやり取りさえ億劫な性格なのです。
そんな僕にも気さくに声を掛けてくれ、昼休みにドッジボールに誘ってくれて皆の輪の中へと連れ出してくれたのがA君でした。
ある日、下校時間になると先生から頼まれ事をされ、僕は安易に引き受けてしまいました。
頼まれたのは、最近休みがちなO君へプリントを届けること。
そういえば、O君をここしばらく会ってなかったと思い、僕は途中まで帰路が一緒なこともあり引き受けたのです。
O君の家は平たく言えば空き地にポツンと建てたボロ屋で、今でこそあまり見かけないような、トタン屋根が錆びたようなみすぼらしい平屋でした。
僕は簡易なボタンだけのチャイム、ブザーに近いそれを押しました。
音漏れが激しいなか、ブザー自体が大きいのか、鼓膜を刺激する不快感に顔をしかめるものの、すぐにO君が出てきたので表情を整えます。
「こんにちは。風邪大丈夫?」
「……うん、大丈夫」
僕は何気なしに体調不良なら風邪だと思い心配したところ、O君は歯切れ悪く頷きした。
ガタガタ
O君の後ろ、ちょうど磨りガラスの玄関戸を開け土間を挟んだ向かい側、恐らく居間の方から物音がしました。
僕は気になって覗いてみたら、瞬く間にO君が遮り、不器用な笑顔を浮かべていました。
「あら、お友達?」
「こんにちは」
すると、買い物帰りなのか、スーパーのレジ袋を提げたO君の母親が背後から声を掛けてきたので、僕は視線を上げて挨拶を返します。
O君の母親は、塩で揉んでわざと傷めたようにボサついた長髪でピンク色なたゆんだワンピースという、何というか奇抜な出で立ちだした。
「じゃあ、O君、僕帰るね」
「もう帰るの?よかったら上がっていきなさいよ」
思わず「え?」と聞き返すと、母親はアサリのような目を細め僕の顔を睥睨するので、僕はすぐに「おじゃまします」と首を縦に振るいました。
居間へ上がると、ボタンのついた給湯器がキッチンにあるかなり旧式の内装に二度見し、O君が用意してくれた座布団へと腰を下ろします。
なんだか湿気ていて天日干ししていないのではと思いつつも、僕は出されたお茶へ手を伸ばし、ゴクリと一口いただきました。
「お、おいしいです」
僕の感想に母親はニコリと笑い、買い物袋から冷蔵庫へと荷物を詰め替えていきます。
因みにお茶は限りなく薄めた麦茶に苦味を足したような味でした。
しばらくO君と学校での話をしていると、不意に音が鳴るのです。
面白かったです
なんか似たような事件を聞いたことがあるような・・・
食べた肉は結局何だったんだろう
もしかしてジビエ…
食わされたのか…俺以外の肉を……