峠に行っただけなのに
投稿者:泥亜襤褸巣 (4)
5年程前のことです。
当時何に対しても好奇心旺盛だった私は、日々ドキドキする刺激を求めていました。
大学生という年頃の影響もあり女遊び、心霊スポット巡り、遊園地巡りなんかもしましたね。
その日は、友達Aといつも通り心霊スポットに向かい写真や動画を撮っていました。
カメラには、特に何も映らず盛り下がっていました。
そこで、追加でもう一つ心霊スポットに向かうことに。
そこは、◯◯村と呼ばれる場所。
戦時中には、人体実験、朝鮮人の強制労働をさせていたなど悪噂高い曰く付きの場所でした。
現地の村の入り口には『ここから先憲法は適応されない』との看板があり盛り上がりました。
村の中は、荒れ果てた集落で人が住んでいる気配はありません。
30分程探索し終わり帰ることにしました。
Aと私は、それぞれ自分の荷物を持って歩きだしました。
しかし、Aと歩きながらなんともいえない違和感に包まれました。
そして気付きました。
歩いているAの荷物が突然なくなっているのです。
その事を指摘しようとAの肩を叩きました。
振り向いたAは、虚な目をしたまま一言こう言いました、『荷物の次は誰の命を取ろうかな』と。
私は血の気がひきAを置いて、叫びながら走り出して下山しました。
それから2時間後にAから電話に着信があり再度合流すると普段のAになっていました。
そして朝から家で寝ていたといっていました。
私が一緒に村でいたAはいったい誰だったのか、未だに答えは分かりません。
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