綺麗な瞳は残酷だ

私の友人は美少女YouTuberとして活動しています。

彼女が得意とするのはいわゆるガチ恋営業で、男性リスナーを彼氏に見立て思わせぶりな言動をすることでスパチャ……即ち投げ銭をもらい、働かずに贅沢な生活をしていました。

SNSに公開してるAmazonほしいものリストから、電化製品や日用品を貢いでもらうこともしょっちゅうだったそうです。

しかし女友達と一緒の時はリスナーを手ひどくこき下ろし、「キモヲタ貢ぎ豚」と嘲笑って憚りません。本命の彼氏もちゃんとおり、貯金ができたら結婚する予定でした。

ある日の深夜、SOSの電話がかかってきました。

「うちの前に誰かいる！ドアや窓をガンガン叩いてるの！」

私は警察への通報を命じ、とるものもとりあえず友人のアパートに駆け付けました。しかし時既に遅く、死にこそはしなかったものの彼女は刺されてしまいました。

友人を刺したのはストーカー化したファンでした。住所を割り出す決め手になったのは、動画内の友人の瞳に映った光景でした。
犯人は友人の瞳を拡大し、そこに映った家の外観や近所の風景から住んでる場所を特定したのです。

警察に動機を聞かれた犯人はこう証言したそうです。

「あの子の瞳を独り占めしたくなったんだ」