深夜の生駒山中にて
投稿者:haruberu (5)
私が小学生の頃、両親と妹と私で出かけた時の話です。
関西では現在は閉園する遊園地が多くなり、数える程となりますが、当時奈良のドリームランドという遊園地がありました。
大阪からは割と近い事もありましたが、遊園地の利用者は多い時代でした。
奈良から大阪に帰るまでにやはり渋滞に巻き込まれることが多く、帰宅は深夜となってしまう事が多い印象でした。
そんなある日、奈良から山越えの道を帰る迄に街中では渋滞に巻き込まれなかなか進まない状況でした。
やはり奈良と大阪の県境の生駒山中に差し掛かったのは深夜になるところでした。
そんな山中ではほとんど車通りも人通りもない状況で、街灯もほとんどなく、大阪の夜景と車のライトと星ぐらいしか見えない真っ暗な山道でした。
しばらく走っていると対向車が走ってきました。
なぜか車内灯がつけて走ってきましたし、山中での対向車でしたので必然的に家族全員注目していました。
車種は軽トラというのもはっきりとわかりましたが車内灯がついているだけでも違和感でしたがそれ以外にも全員が違和感を感じていました。
少しして父が口を開きました。
『今の車に人乗ってたか?』普通ならあり得ない言葉を発しています。
しかしながらその時は家族全員のその発言を否定は出来ませんでした。
皆が口を揃えて『誰も乗ってなかったよね、電気ついてたしはっきり車の中も見えてたし』と言い合いました。
一人なら見間違えで済まされる事かもしれませんが、その場にいた家族全員が見ていたわけで見間違えでは済まされない事象です。
未だにその真相はわかりませんし、家族の脳裏にはその時の光景がはっきりとこびりついている事は言うまでもありません。
誰も乗っていない軽トラの話聞いたことあるな…
もしかしたら妖怪みたいな存在なのかも
生駒山と言えば酷道で有名な暗峠(くらがりとうげ)。