百物語の消えない炎
投稿者:だれパンダ (31)
短編
2022/01/29
20:41
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私が高校生の時の話です。
当時運動部に所属していた私は二泊三日の合宿にでかけました。十代の女の子たちが集まれば怖い話やコイバナで盛り上がるのは当たり前で、自然な流れで百物語をする事になりました。
しかし蝋燭を百本用意するのは不可能です。なので部員の一人が予め家から持ってきた非常用の大きな蝋燭を立て、それを皆で囲んで持ち回りで怖い話をすることになりました。
百物語は順調に進んで行きました。
中には他愛ないものや脱力するようなオチの話も含まれていましたが、語りが上手い子の話は本当に面白くドキドキしました。
そして九十九話目の終了時……百物語を百話語りきるのはNGだと知っていた私は、ここで終わりにしようと提案しました。
幸い部員たちも素直に従ってくれ、蝋燭を吹き消す事になったのですが……
「なんで消えないの?」
皆が顔真っ赤で吹き消そうとしても蝋燭の炎は衰えず、赤々と燃え上がっています。
しかも途中から色が変化し、墓場の人魂のような鮮やかな青色に光り出したのです。
「きゃああああ!」
すっかり震え上がって皆で部屋を飛び出し、顧問の先生を呼びに行きました。
先生を引きずり帰ってみると既に火は消えており、見間違いだろうと笑われてしまいました。
広間に集った部員十五名、全員蝋燭の火の色を見間違えた。
そんな偶然、はたしてありえるのでしょうか?
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