心霊スポット巡りの代償

一時期、私の妹は仲間内で心霊スポットを巡るのにハマっており夜な夜な車で出かけていました。
その度に色々と話を聞いていたのですが、妹曰く何処もそれほど怖いと感じる場所はなく、たまに他の肝試しに来ている集団と鉢合わせたりもしたそうです。
妹は元々心霊現象を信じていなかったのもあり、より一層恐怖心がなかったのだと思います。

そんな心霊スポット巡りが始まってからしばらくたったころ、妹がいきなり部屋を尋ねてきました。
どうしたのか？と尋ねると、盛り塩を一緒に作って欲しいという内容でした。あ、これは心霊スポットで何かあったなとすぐにわかりました。

その頃、私も妹も実家に住んでいたので妹が何か変なものを連れてきてしまったのなら私にも被害が及びかねないと、まずは何があったのかを詳しく聞き出しました。
すると、昨晩もみんなで心霊スポットに行ったのだが不思議な体験をしてしまったと妹が話だしました。

その心霊スポットは、今は誰も住んでいない古びた一軒家だったらしいのですが、玄関にたどり着いたとき、何故か全員足が止まってしまったそうです。
今までそんなこと一度もなかったにも関わらず、何故か全員が入りたくないと思ったと妹は言いました。

妹に至っては、立っていられないような目眩に突然襲われその場にしゃがみこんでしまったと言います。

全員が何やらただならぬ雰囲気を感じたので、すぐさま車に引き返し帰ろうとしたのですが行きはすんなり来れた道のりで迷ってしまったそうです。

運転していた友達が、ナビを設定し車を走らせたのですがナビ通りに進んでいくと、ある場所にたどり着きました。そこは、火葬場でした。

全員が怖くなり早くこの場を立ち去ろうとするのですが、何度車を走らせて違う道を通ったつもりでも、その火葬場に辿り着く為やばいと思ったとき、友達の1人が、ごめんなさい。もう来ません。お邪魔しました。と車内で突然喋りだし、車を発進させるよう運転手に促したそうです。

すると、今度は迷うことなく見慣れた道路に出れたといいます。

しばらく進み、その一軒家から離れたとき突然喋りだした友達がぽつりと、窓の外に居た。と言ったそうです。その友達も霊感があるわけではなく、今までの心霊スポットでも怪現象とは無縁だったそうなのですが、その火葬場に辿り着いた時、車の外から中を覗き込むように女性と子どもがこちらを向いているのが見えたそうです。

怖くなり、咄嗟にその親子？に向かって謝ったのだといいます。

そんな話を聞いては、さすがに自己流の盛り塩だけでどうにかなる問題じゃないだろと近所でお祓いを行っているところをすぐに探して妹を連れていきました。

その後、妹になにかがあったり友達に何かがあった訳ではないのですが、それ以来心霊スポット巡りは辞めました。

やはり、心霊スポットと言われる場所に遊び半分で訪れるのはよくないと思います。
何かあってからでは遅いので。