橋のふもとの家
投稿者:めばちこ (5)
短編
2022/06/06
08:00
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当時私は高校生。
平日部活が終わるのは夜7時以降で、一人で暗い中自転車で帰っていました。
家から学校までは自転車で30分ほどかかります。
道中に川があるので、橋を渡ることになります。
学校からでて、橋の手前には暗いトンネル。
私はいつもそこが怖く、できるだけ早めに通り過ぎようと思っていました。
しかしその日、恐怖体験をしたのはそのトンネルの向こうの橋でした。
トンネルから橋を渡るまでは下り坂になっています。
怖いトンネルを抜けて一安心、そのまま軽快に自転車を走らせていたときです。
橋を渡り終わる寸前、ふと橋の終わり沿いに建っている家が気になりました。
その辺りに建っている家にしては割りと新しい方だと思います。
家には明かりがなく、無人のようでした。
しかし2階の窓に人の影。
私の目にははっきりと、お母さん・坊主の男の子・おかっぱの女の子が見えたのです。
顔が見えたわけではありませんが、なぜか性別がわかったのです。
そして彼女らは、もんぺのような、まるで戦時中のような格好をしていました。
私は恐怖のあまり声が出ず、半泣きになりながら一生懸命自転車を漕ぎ家に帰りました。
それ以降も卒業までその家の横を通り通学していましたが、恐怖体験をしたのはその1回だけでした。
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