ストーカーの怪異
投稿者:ぴ (414)
元カレは数週間ほど前に事故で亡くなったらしいのです。
交通事故という話でした。葬儀も終えてそこにいるはずがないと母は言いました。
こっちで安心して暮らしている私にわざわざ報告することでもないと思って母は言わなかったらしいのです。
とにかくストーカーは明日警察に相談しに行きなさいと言われたので、そうすることにしました。
私は元カレが亡くなっていることをどう処理すればいいのか分からず、しばらく放心状態でした。
そしたら母と入れ違いに、数日お泊りしていた友達からメールがありました。
「今いるんだけど」というコメとともに送られたきたのは1枚の写真です。
私はこれを見て、思わず携帯を取り落としました。
写真に写っていたのは友達の住む2階の窓か撮影されたストーカー男の写真でした。紛れもなく、死んだはずの元カレの顔でした…。
丁度、「ピンポーン」と家に誰かがやってきました。
私は思わずごくっとのどを鳴らしたと思います。
私が腰を抜かして出られないでいると、ドアノブをこじ開けようとするようにドアが何度も軋みました。
そしてドンドンドンドンと激しくノックがされて、私は恐怖に涙が出ました。震える手で落とした携帯を拾って必死で警察に助けを求めました。必死で今ストーカーが部屋をこじ開けようとしていることを伝えて、身の危険を訴えたと思います。
その後のことは正直覚えていません。
とにかく恐怖に震えていて、私は警察官に保護されました。
警察官が駆け付けたとき、逃げてしまったのか私の家の前には誰もいなかったそうです。
その後捜査もしてもらいましたが、結局犯人は見つかりませんでした。
しかし、部屋の前にカギが落ちていて、後日それが元カレのバイクのカギだったということを知らされました。
後で聞いた話元カレはバイク事故で亡くなったんだそうです。これを聞いたとき、恐怖に慄きました。
彼が死んだ後でまで何を伝えたかったのかは分かりませんが、私は今までにない死ぬほどの恐怖を感じることになりました。
私はその後マンションを解約して、今は実家で暮らしています。
ストーカー被害はあれ以降あっていませんが、今もまだ夜道は怖くて一人では出歩けません。
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