ボウリング場で起きた怪奇現象
投稿者:kiyoka (3)
私が体験した不思議で怖かった出来事を投稿します。
以前働いていた職場での出来事です。
当時20歳だった私はボウリングが大好きで、とあるボウリング場に就職しました。
毎日が楽しい職場で、お客さんもフレンドリー、私もよりボウリングにハマっていきました。
従業員は勤務時間外ならいつでも練習できる環境でしたが、お客さんのいる時間帯に練習すると、いちいち話しかけられたり、結局仕事のようになるので、遅番の時に上司にお願いして営業が終わって、お店を閉めてから練習をせてもらうことになりました。
とはいえ営業時間外ですから、必要のない照明は当然消すので、練習するレーン以外は暗い状態。正直その時点でやや怖かったのですが、それ以上に「練習したい!」「うまくなりたい!」という気持ちが強かったので、夜な夜な一人で練習をしていました。
ある日、自分の投げ方が気になり、ビデオカメラで撮影しフォームチェックをしながら練習をすることに。
投げてはビデオチェック、また投げてはビデオチェックの繰り返し。
そんな楽しい練習の時間でしたが、ある時、いざ投げようとしたら「ガシャン!」と大きな音が後ろから聞こえました。
明らかに、コンコースの設置されているテーブルの椅子を蹴っ飛ばしたような大きな音です。
私はビックリして後ろを振り向きました。しかし、そこにはだれもいません。
営業終了後なので、当然すべての扉の鍵は閉まっています。
「だれもいないのに・・・。」、そう思いながら蹴とばしたような音がしたコンコースをチェックしましたが、誰もいません。テーブルも椅子も動いていません。
わけが分からず、「気のせいかも?」と思い、撮影していたビデオカメラをチェックすると、たしかに「ガシャン!」という音だけは録音されていました。
少し怖くなり、その日は練習を切り上げ帰宅しました。
後日、いつも通り遅番勤務終了後、施錠の最終チェックのため、レーン裏の通路にある複数の扉をチェックしに行きました。
だれもいないレーン裏の通路は静まり返っていて、なかなか薄気味悪いのですが、いつものことなので気にせず施錠チェックをしていました。
2つの扉をチェックし、3つ目の一番大きな鉄の扉のチェックを済ませ、上司のいるフロアーに戻ろうとしたその時、「ドカン!」と大きな音がしました。
以前、練習中に聞いた椅子を蹴っ飛ばす音ではなく、扉を蹴ったような大きな音です。
慌てて上司のもとに戻り、「扉を蹴っ飛ばした音がしました!扉の向こうにだれかいるかもしれません!」と言いましたが、上司は笑ってこう言いました。
「ねえ、扉の向こう側、土手になっているの知ってるよね?(笑)わざわざそんなところに人は来ないでしょ。(笑)」と。たしかに考えてみたら扉の向こう側は小さな川になっていて、扉を開けるとすぐ土手になっています。
川を渡らないと人なんて来れないのです。「でもたしかに音がしたんですよ・・・。」と言いながら、以前あったテーブルの椅子を蹴とばすような音がしたことを思い出しました。
「まただ」と思いましたが、上司がさっさと帰ろうというので、その日は帰宅しました。
それから何日かは「やっぱり気のせいなのかな?でもビデオカメラに音が残っていたんだよな。」と思いながらも、深夜に練習していても何も起きませんでした。
それから1ヶ月ほど経ったある日、この日もいつも通り営業終了後の深夜に練習をしていました。この日はビデオカメラは回さず、ただ投げるだけでしたが、練習を始めて30分くらいしたある時、突然後ろから「どうしたの?」という声がしました。
それもハッキリを聞こえたのです。
ビックリして慌てて振り返りましたが、そこには誰もいません。
前回テーブルを蹴とばした音がしたところと同じあたりの場所です。
しかも明らかに子供の声です。さすがに人の声だったので、館内の照明をつけて、誰かいないかチェックしましたが、やはり誰も見当たりません。
今回はビデオカメラを回していなかったので、確認もできません。でもハッキリと聞こえたのです。「どうしたの?」という声が。
状況設定が面白かった。ビデオ撮影という小道具も効いてる。文章もすっきりしてて良かったです