「何すかこれ!?髪の毛に・・・・あの血付いたやつやばくないっすか!?」
「多分これは相当ヤバいやつだな・・・」
とにかくこのまま作業するのは良くないと判断した私は
すぐに依頼主の大家さんに来てもらいました。
大家さんは箱の中身を見た瞬間、
目を大きく見開き、冷や汗をかきながら震え、こう言いました。
「この写真の二人はこの部屋の住人です。」
大家さんから語られる事実を我々が固唾を飲んで聞いていると、
更に大家さんはこう続けました。
「でも女性の方は半年位前からぱったりと姿を見なくなって、
3カ月前に失踪したのは名義人であるこの写真の男性、○○さんなんですよ。
考えて見れば○○さんの様子がおかしくなり始めたのも半年位前・・・
この箱は下手に触らない方が良さそうですね。
すぐに”こういうの”の専門の方に来てもらうので、
申し訳ありませんが今日の所はお引き取り下さい。
社長の方には私の方からご説明致しますので。」
大家さんにそう言われ我々は片づけを済ませて帰路に付きました。
「マジでヤバかった~。あの箱何なんすかね?見た瞬間すげぇ気持ち悪くなりましたよ。」
「俺も吐きそうになった。この様子じゃ作業は明日以降も中止っぽいな。」
「中止にした方がいいっすよ!俺もうあの部屋入りたくねぇっすもん。」
「まぁ後は大家さんと社長が話し合うだろ。」
等と話しながら、あの部屋から帰れた安心感と
またあの部屋に行く事になるかもしれないという不安を抱きながら、
それぞれの家に帰りました。
この日は何だかドッと疲れてしまった私は軽く晩酌しながらウトウトしてしまい、
ソファの上で寝てしまいました。
最初はいつものように他愛ない夢を見ていたのを覚えています。
しかし突然真っ暗になり、いつの間にか
あのアパートの中にいました。
アパートの中は綺麗で生活感に溢れた雰囲気でした。
怨念は確かに怖いですね。
男を恨み続けていても仕方ないけど、よほど中絶が辛かったのだと思います。
だけど私としては、その男を地獄に陥れたとしたのなら他の人を巻き込む必要はないと思いますね。
なのに何故まだこの世に自分の思いだけを残しているのか?
自分の彼との区別できていないのかもしれませんね?
自殺となるとこの世に残した思いだけが残り自分の赤ちゃんの脱け殻だけを抱いて中絶した我が子とは会えていないのかそれとも赤ちゃんの泣き声は親の思いから抜け出せない鳴き声なのかも?
有る意味赤ちゃんにとっては地獄
許せない思いから呪いに変わってますね。
中絶せず1人で頑張る選択肢が無かったのかな。
怖いけど悲しい、話だなとおもった