ビリビリに破けた曾孫の写真
投稿者:ジュリー (62)
薄暗い部屋の中、電気をつけてカーテンを開けて。
訪問介護の辛いところは朝の6時に日もまだ上っていない高齢者マンションの部屋のカーテンを次々に開けることです。
利用者も寝ており、私自身も眠たい朝にカーテンを開けるというのも1つの仕事。
「なんでこんな時間にこんなこと。」と思いながら高齢者マンションの部屋を巡っていました。
とあるお婆さんの部屋に着いた時に写真が落ちているのを見つけました。
曾孫さんの写真で、お孫さんが嬉しそうに持参されていたその写真。
なぜか破れて一部だけ床に落ちていました。
他の介護士に聞いても誰も知らない。
もちろんその部屋にいるお婆さんも自分だけでは自由に動けない。
不法侵入者が入った形跡はない。
しばらく調べましたが、写真以外何の被害もなく、真相は分かりませんでした。
お孫さんはこの件を報告後、恐怖心と不信感から退去を依頼され、1ヶ月後には出て行かれました。
未だに私は巡回をしていますが、暗闇の中何かがいるかもしれないという謎の恐怖心を抱えながらカーテンを開けています。
あの一件以来トラブルは起きていませんが、時折あのことを思い返します。
写真がなぜびりびりに破れていたのか、そしてなぜ欠片だけが床に落ちていたのか。
いくら考えても分からないということと、曾孫さんの身に何か起こっていないか不安も感じます。
あれは本当に誰が何の目的でしたことなのか。
日もまだ上っていない薄暗い朝だからこそ、恐怖を感じながら今日も巡回しています。
なんかよくわからないけど怖い