白い着物の般若男
投稿者:陶芸参謀 (37)
私が小学生低学年の頃の話です。
私の地元にはある山を信仰している神社があります。詳しい歴史はわかりませんが、かなり古い時代からある神社です。
同級生の友達と神社で鬼ごっこをしたり、小山に登ったりしてよく遊んでいました。
日中は大人があまり来ることがなく、閑散としていたので子どもたちの溜まり場になっていました。
ある日、いつものように友達と神社で遊んでいたとき、私はふと一人きりになってしまいました。
鬼ごっこをしていたのでみんなどこかへ逃げて行ってしまったのです。
私は何気なく一人でフラフラと敷地内を歩いていて、目の前に本殿とは別にある小さな社を発見しました。
木製の柵で中に入ることはできませんが、覗くことはできました。
好奇心に負けた私は境内に踏み入り、中を覗いてみることにしました。
中には祭事に使用するであろう器具などが置かれていて、畳張りの何もない空間がありました。
どこかヒンヤリとしていて、独特の空気を感じました。
その時、なんだか頭がぼんやりとしてきて、なんだろう…と思いながらもずっと中を覗き続けていた時のことです。
突然、白い長髪に白い着物を着た人が現れ踊りを始めたのです。顔には般若のお面を被っていました。
何の踊りをしているのかは分かりませんでしたが、伝統的な舞踊なのかな?と子供心に感じていました。
胴体に巻いた赤い帯が舞っていたのを、大人になった今でも鮮明に覚えています。
その後、友達と合流しました。
なぜか僕はその話を友達に言いませんでした。
そのまま夕方になり、すぐ近くの友達の家に行くことになりました。
家の中でも鬼ごっこの続きをし、キャアキャアと笑い声を上げながら走り回り、私はなぜかその子の家の押し入れの天井裏を覗き込んだのです。
これもなぜこんなコトをしたのかまったく記憶にありません。
天井を覗いた瞬間、私は失神をしました。
気がついたら周囲の大人に介抱されていました。
一体何が起こったのか…いまでもあの日のことは忘れていません。
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