夜九時に現れる白装束の女
投稿者:陶芸参謀 (37)
知人のMさんから聞いた話です。
Mさんは40代の女性で、独身で実家で暮らしているそうです。
実家では母親と同居していて、今も仲良く関係は良好。
そんな母親が何かおかしな事を言うらしいのです。
「夜の九時になるとあの女がまた出てくる」
Mさんの母親は高齢というのもあり、夜の九時前には床に入るそうです。
部屋の電気を消し、テレビを点けながら眠りにつくのがいつもの流れでした。
ある日、母親がいつものように和室に敷かれたフトンの中でうとうとしていると、パタパタパタ…と物音がしました。
テレビの音かな?と思ったのですが、どうやらテレビとは逆にある、自分の頭の後ろで何かが起こっているというのです。
恐る恐る薄目で確認すると、白装束を着た長髪の女が「クルクルクル…」と畳の上を回転しながら歩いていました。
回転を続け、しばらくするとしゃがみ込んで、母親の枕元をジッと見つめてくるそうです。
それが終わるとフワッと消えていくらしいのです。
その出来事が毎晩のように続き、必ず夜の九時にやって来るのでした。
さすがに怖くなってきて、娘のMさんに相談をしたということです。
相談を受けたMさんは、カメラを設置して撮影してやろうと思ったそうですが、さすがにそこまで手の込んだことをするのは面倒だと思い、夜九時まで母親と一緒に起きていることにしました。
そしてある日、Mさんは母親とリビングでテレビを観て談笑をしていました。
そろそろ夜九時になるな…と時計を確認した瞬間でした。
Mさんの母親の携帯に着信があり、田舎の兄弟の一人が台風で交通事故に遭ったという連絡だったのです。
青ざめたMさんは時計を確認すると、ちょうど九時だったそうです。
親戚の人は命に別状はなかったそうですが、あの九時に現れる白装束の女は何を訴えたかったのだろうか…
そんな話でした。
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