私を助けてくれた「蜂地蔵」さん
投稿者:ぴ (414)
私が夏休みに田舎で遊んでいるときに、蜂地蔵さんに出会いました。私の父方の祖父母はずっと田舎に住んでいるのですが、そこに遊びに行ったことがあります。山と川があり、都会では考えられないくらい自然に溢れたところでした。
そこで親戚の同い年くらいの友達数人と一緒に、山に遊びに行きました。
両親も祖父母も別に行きたいところがあり、親せきの子たちがその土地に詳しいので、案内してもらったんです。
けれどその道すがらなんと、藪から出てきた一匹の蜂に追いかけられるという恐怖体験をし、みんなで必至で逃げました。
しかし、なぜかその蜂は私をターゲットのようにしてずっと追いかけてきたのです。
逃げて逃げて、逃げてしてもなぜかその蜂は私を追ってきます。
半泣きになりながら逃げ、そうして私は気づいたら一人でよく分からない山の中にいました。そう、必死で逃げすぎて気づいたら一人だけ迷子になってしまったのです。
まだ幼かったので、頭の中はパニック。どうしようと思ってひたすら山中を歩いていたら、3つに分かれている道に差し掛かり、私はどの道を行くかで迷いました。
そして真ん中の道を行こうと数歩歩いたところで、突然呼び止められました。
誰に?と思うでしょう。私も「誰?」て聞いたんです。
そしたら振り返ったところに、さっきまでは気づかなかった小さなお堂とお地蔵さんがありました。「ここにいたら、人が来るよ」とぴょこっと小さな男の子がお地蔵さんの裏から顔を出して、びっくりしました。
こんなところに人がいることに不思議に思いながら、でも安心してその子としばらくしゃべりました。とりとめのない話や蜂に追いかけらえた話をしたと思います。
男の子に誘われて近くの花をつんだり、お地蔵さんにお供えされているみかんをその子と分けて食べたりして寛ぎました。一人じゃないことで私は心底安心したのです。
私は慣れない道で蜂に追いかけられたこともあり、すごく眠くなりました。
男の子が「起こしてあげるよ」というので、安心してお昼寝をしました。
それからしばらくしてでしょうか。私は慌てて探しにきた祖父に見つけてもらって目が覚めました。
そこであった話をみんなにしたのですが、子供の夢か戯言と思われたみたいです。祖父母も父も母も誰一人信じてくれませんでした。
私が倒れていた場所には、その昔お地蔵さんを祀っていたお堂がありました。
しかし、今はお地蔵さんもいません。何年か前に撤去されたらしいです。ただそのお堂にミカンの皮が落ちていた話は本当です。私はこれを聞いて、やっぱりあの男の子はお地蔵さんだったんだと確信しました。
私はきっとあの日不思議な世界に迷いこみ、男の子に扮したお地蔵さんに会って助けられたと信じます。もしあそこで待たずに山の奥に言っていたら今頃どうなっていたのか分かりません。自分の中で「蜂地蔵さん」と命の恩人のことを思い出します。
蜂地蔵って何だろ?
蜂は私としても不思議なのよね。
特に単独で飛んで来たとき、仏との関わりが有るんじゃないかと思ってます。